宮城県と福島県を結ぶ第3セクターの鉄道、阿武隈急行の経営が厳しくなっているため、合理化策を探る検討会がスタートしました。バスへの転換も選択肢に入れます。

 新たに設けられた阿武隈急行在り方検討会の初会合が開かれ、株主である宮城県と福島県、それに沿線の5つの自治体などの担当者らが出席し、合理化策を話し合っていくことを確認しました。

 県地域交通政策課大石雅邦課長「単なる経費削減策、増収策のみではなかなか対応しきれない状況にある。抜本的な経営改善策を講じる必要がある」

 阿武隈急行は、柴田町の槻木駅と福島駅の約55キロを結びます。

 人口減少とコロナ禍に加え、福島県沖を震源とする2021年と2022年の地震が追い打ちをかけ、2021年度の営業赤字は過去最大の6億円余りでした。

 検討会では、鉄道設備の維持管理費の負担を第3セクターから切り離す上下分離に加え、鉄道からバスやBRT=バス高速輸送システムに転換することも選択肢に入れています。

 県地域交通政策課大石雅邦課長「持続可能な交通手段としてどうあるべきか分析した上で、地域の足の確保という意味では形あるものに仕上げていきたいと考えています」

 検討会では交通手段について1年後をめどに示し、それに沿った経営の改善策などについては2年後をめどに方針を取りまとめます。