東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が犠牲になった宮城県石巻市の大川小学校で、新任の校長を対象に学校防災を考える研修会が行われました。

 この研修会は、大川小学校をめぐる裁判で学校側の防災体制の不備を認める判決が確定したことを受け、県教育委員会が2020年から行っていて、2024年度に新たに校長に就任した88人が参加しました。

 研修では、震災当時大川小学校の6年生だった次女を亡くした佐藤敏郎さんが、児童が避難した経路をたどりながら、ここで起きたことを想像し、自分事として学校防災につなげてほしいと訴えました。

 佐藤敏郎さん「恐怖をあおるだけの防災では駄目だと思います。助かるための恐怖にしないと。希望につながる恐怖にしないと。そのために、あの時の恐怖や悲しみ、後悔、命、それが材料になれば良い」

 県立支援学校岩沼高等学園菅原紀子校長「お話を聞く中で、生徒たちの姿を思い浮かべたりしたので、非常に胸に来るものがありました」

 角田市立横倉小学校渡邉隆仁校長「まず地域の特徴をきちんと捉えて、職員と語り合い絶えずより良い防災体制を築けるように学校経営を進めていきたいと思います」

 13日には、新規採用の教職員を対象にした研修会も行われる予定です。