宮城県女川町を拠点に活動する社会人サッカーのコバルトーレ女川は、8年ぶりのJFL復帰を目指しています。

 女川町のサッカーグラウンドを拠点にアマチュア最高峰のリーグJFLを目指しているのが、設立20年目のコバルトーレ女川です。

 チームは今シーズン東北社会人1部リーグで6戦全勝で、10チーム中1位です。

 11日の天皇杯宮城県代表決定戦では惜しくも敗れたものの、初の天皇杯本選出場へあと一歩と迫りました。

 キャプテン笠原啓夢選手「シーズン前から積み上げてきたものを、リーグ戦でいい形で発揮しているのが結果につながっているなと。天皇杯宮城県代表決定戦で負けたことでより一層、チームが強くなるきっかけを与えてくれたと思うので」

 日本のサッカーリーグは、プロのJリーグを頂点に大きく6つに分けられています。コバルトーレ女川は社会人リーグに所属し、1つ上のアマチュア最高峰JFL昇格が目標です。

 コバルトーレの選手たちは、石巻市や女川町、東松島市の協力企業などに就職し平日はフルタイムで働きながら週4日の練習に励んでいます。

 キャプテン笠原啓夢選手「仕事をしてサッカーをしてっていうのはしんどいところもあるんですけど、社会人リーグだからこそそれが経験できる。スポンサーやサポーターの方がいてこそ自分はサッカーをできているので、そこは一番のモチベーション」

 チームのコンセプトは「守備を起点とした速い攻撃」です。ハードな守備で相手を封じ、一気に仕掛けて得点を狙います。

 指揮を執るのは、就任3季目の葛野昌宏監督です。現役時代にディフェンダーとしてJ1などで活躍し、2015年には青森市の社会人チームを率いて監督就任2年目でJFLに初昇格しました。

 2018年に青森県八戸市のJFLチームの監督に就任すると、その年にJ3初昇格に導きました。

 その実績を買われ、2022年にコバルトーレにやって来ました。

 葛野昌宏監督「しっかり組織で守って早い攻撃につなげていくという、精度をもっともっと高めてトライアンドエラーを繰り返しながら、最終的には本当に強かったねと言ってもらるようなチームになっていければいいなと思っています」

 注目の選手は、この春に大学を卒業して新加入した栗原市出身の鈴木史哉選手です。ベガルタ仙台ユース時代にプロ公式戦デビューしU17日本代表にも選ばれ、当時の森山佳郎監督に指導を受けました。

 鈴木史哉選手「(知人や家族、同僚など)みんな女川スタジアムに足を運んでくれて、頑張ってねとか連絡くれたりとかもしてるので、そういった意味ではありがたいですね。僕自身の武器が縦への仕掛けであったり突破であったりそういったのがあるので、結果で証明していきたいと思っています」

 JFL昇格を懸けた大会に出場するためには、まず地域リーグで1位にならなければなりません。

 コバルトーレは2023年はリーグ2位、2024年は3位と昇格へ挑戦するチャンスまであと一歩届いていません。

 8年ぶりのJFL昇格へ、勝利に貪欲に不屈の精神で立ち向かう決意です。

 鈴木史哉選手「チームとして熱く本気で戦う姿を、女川のために戦う姿をサポーターの方々に見てほしいです。絶対に昇格したいと思います」

 リーグ戦は10月5日まで行われ、選手たちは1位を目指し11月に行われる昇格を懸けた大会への出場を目指します。