カムチャツカ半島付近で起きた地震の影響で宮城県などに出されていた津波警報は、30日夜に津波注意報に切り替えられ、31日午後4時半に注意報が解除されました。こうした中、海上の養殖施設への津波被害が徐々に明らかになっています。
上野比呂企アナウンサー「気仙沼湾の大島瀬戸です。本来であればきれいに整えられて海に浮かべられている養殖いかだが不規則に散らばって、一部いかだ同士がぶつかり壊れてしまっています」
気仙沼市の大島近くの海上では、カキの養殖いかだが転覆するなど津波による被害が確認されています。
ヤマヨ水産小松武さん「流れがまだ川のように流れてますよね」
カキなどの養殖いかだ54台を所有しているヤマヨ水産の小松さんは、津波で少なくとも23台が何らかの被害を受けたと言います。
ヤマヨ水産小松武さん「30日夕方までここで確認していたんですけど、一晩のうちにまただいぶ被害が進んだ。アンカーロープが切れて流出してるものもあれば、後はロープの方が丈夫でいかだの部材が壊れている物もあったり、いかだ同士をつないでいるロープが切れたり、津波にひっくり返されてしまったり様々なケースが混在してる」
前シーズンは海水温の上昇などによって5割以上のカキが死滅するという被害があり、期待していたところを津波が襲いました。復旧には2カ月ほどかかる見込みということです。
ヤマヨ水産小松武さん「全体の少なくとも1割は確実に駄目でしょうし(収穫量は)3割4割くらいは落ちてしまうのかなと思います」
宮城県では現在も津波注意報が継続中で、潮の流れが速くて現場に近づけていない漁業者もいるため、養殖施設の被害の全容はまだ分かっていません。
津波への対応が長期化する見込みを受け、県は30日夜に特別警戒本部を、村井知事をトップとする災害対策本部に格上げしています。