夏の甲子園は17日、仙台育英が惜しくも3回戦で敗れました。

 最後の打席で涙を流したエース吉川は、チームを背負いマウンドに立ち続けました。

 吉川陽大投手「やっぱりまだ仲間と試合をやりたかったっていう思いが強いです」

 仙台育英エース吉川陽大投手が、甲子園で投じた球数は380。背番号1を背負いマウンドを守り続けました。

 17日の沖縄尚学戦、吉川にとって苦しい展開が続きます。

 1点リードの2回、仙台育英らしくない守備のミスが絡み同点に追いつかれると、3回には決め球のカットボールを捉えられ勝ち越しを許します。

 それでも5回、吉川をリードしてきたキャッチャー川尻が逆転の一打を放つなど、一進一退の攻防が続きます。

 試合は9回で決着がつかず延長タイブレークに突入。

 10回2塁3塁のピンチ。

 セカンドゴロ3アウト。吉川陽大が延長10回を0点に抑えるピッチングを見せました。球数が130球を超える中、吉川が踏ん張ります。

 その裏、1アウト満塁。仙台育英のサヨナラの大チャンスでバッターは中岡。

 ファーストライナーダブルプレーで沖縄尚学の150キロ左腕、末吉を攻め切れません。

 11回もマウンドに立った吉川ですが、守備のミスで1点を勝ち越されます。

 それでもまだ1点差。仲間の反撃を信じ、投じた143球目。

 打球はレフト頭上を大きく超えていきます。吉川が最も悔やむ1球は、変化球が甘く入りました。

 その裏、2アウトランナー3塁。代打が出てもおかしくない場面で打席に立った吉川。

1塁アウト。涙が抑えられませんでした。

 吉川陽大投手「打力に信頼の無い自分を打席に立たせてもらって打ちたい思いがあったんですけど」

 自分を最後まで信じてくれた監督、そして仲間への想いが溢れました。

 吉川陽大投手「中学時代、無名だった自分を仙台育英に誘ってくれた、須江監督に感謝して仙台育英じゃなかったらここまでやってこれていないと思うので。仲間に支えてもらって背番号1を付けさせてもらった仲間には感謝を伝えたいです」