イセエビの豊漁が続く宮城県南三陸町の志津川湾で、資源保護に向けて行われていた生息調査が終了しました。調査では様々なサイズのイセエビが確認され、湾内で何年も生息している個体がいることが分かったということです。

 南三陸町の戸倉地区と志津川地区では町の自然環境活用センターの職員が8日と9日に湾内に潜り、イセエビの生息調査を行ないました。

 志津川湾ではここ数年、海水温の上昇の影響かイセエビの数が増えています。

 2025年度は9月23日までの水揚げ量が2303キロと、既に2024年度1年間の10倍以上となっています。

 宮城県では生息が確認されていなかったことから漁期や漁獲量の規制がないため、資源管理に向けたルールづくりのため調査が行われました。

 海底に長さ100メートルのラインを引き、その周辺だけでも8匹ほど確認されたといいます。

 大きさは7センチ以下の小さいサイズから、12センチ以上の大きなサイズまで生息していることも分かりました。

 南三陸町自然環境活用センター阿部拓三研究員「様々なサイズが見られたということは、明らかに冬を何度も越しているイセエビもいるわけですね」

 近年、暖かい黒潮が北上していることで、本来南の海にすむイセエビが宮城県沖まで来られるようになっただけではなく、地球温暖化で海水温が上昇し北上したイセエビがそのまま冬を越していると考えています。

 南三陸町自然環境活用センター阿部拓三研究員「初めて市場の水揚げと野外、水中での調査をしましたのでこれをベースにして調査を進めることで、増えた減ったと初めて評価できるんですね。まずは現状をしっかり記録することが重要だと思います」

 調査は2026年以降も継続し、生息数の変動などを記録しながら、イセエビの資源管理のルール作りに役立てていきたいとしています。