宮城県亘理町では、シーズンを迎えた名物のはらこめしが寺に献上されました。サケの記録的な不漁が続く中、名物を守ろうと新たな試みも始まっています。
亘理町では8日、大雄寺にある亘理伊達家の初代当主、伊達成実の御霊屋が開帳され、山田周伸町長がはらこめしを献上しました。
はらこめしは、成実が亘理を治めていた江戸時代初めから家庭や祝いの席などで食べられていたといわれています。
山田周伸亘理町長「こういう食文化を残していただいたと感謝して、そういう気持ちでお納めをさせていただきました」
「本来であれば阿武隈川を遡上するサケを調理したいところですが、残念ながらまだほとんど上がっていない状況ですので、北海道産のサケの切り身とイクラを使わせていただいております」
近年、サケは記録的な不漁が続いていて、宮城県へのサケの来遊数は2024年度に8665匹と過去最低を記録し、2025年度は更に下回る6000匹と予想されています。
こうした事態を受け、町は地域の郷土料理を絶やさないためにPRの強化に乗り出しています。
6月に発売したはらこめし風味のあられは、亘理町産のもち米を使ったあられにイクラを漬け込んだ醤油を練り込みました。
一見、はらこめしに見えるスイーツは、イチゴムースの上にオレンジジュースなどで色付けしたタピオカを乗せています。
新商品などの試食会が開催され、はらこめしの魅力を伝える新たな味を試していました。
亘理町地域おこし協力隊大沼克哉さん「食文化として郷土料理として、それを守っていくためにも今回のような色々な取り組みをして、より多くの方にこの素晴らしさを知っていただけたらなと思っております」