宮城県知事選挙は、26日に投開票されます。私たちの未来にも関わる外国人の受け入れや原子力政策についての考えを、立候補している5人に質問しました。
宮城県知事選挙には、現職と新人の計5人が立候補しています。
6期目を目指す現職の村井嘉浩候補。自民党の宮城県議会議員や経済団体などの支援を受けて、組織力を生かした戦いを続けています。
自民党の元参議院議員、和田政宗候補。参政党の神谷宗幣代表が何度も応援に駆け付け、村井候補と保守層の支持を奪い合う構図となっています。
福島県で自然塾を主宰する金山屯候補。JR仙台駅前に場外馬券売り場の誘致する振興策を訴えています。
宮城県議会議員を8期務めた遊佐美由紀候補。立憲民主党の宮城県議会議員や共産党の宮城県県委員会などが支援。与野党対決の構図ともなっています。
元角田市職員の伊藤修人候補。自動運転やAIなどのテクノロジーを地域にも導入する環境づくりを訴えています。
【外国人政策】まずは外国人の受け入れについて聞きました。
文化の違いや治安面の懸念から、夏の参議院選挙でも争点になるなど関心が高まっています。宮城県では近年、主に第一次産業の人手不足を補おうと外国人労働者を積極的に受け入れてきました。この方針について候補者の考えは。
村井嘉浩候補「外国人の力なしにはですね、農業も林業も、また工事現場も福祉現場も回らないわけです。従って外国人の方を、真面目ないい外国人の方に日本に来ていただいて、そして技能実習として働いていただくということは、間違いなく必要なことだというふうに思っています。もちろん問題のある外国人の方は水際で排除する、これは重要なことですね。それと日本の国内で問題を起こしたらすぐに帰っていただく、これも当然のことだと思います。そこは毅然とした態度でやらないといけませんが、外国人だから駄目だというのはですね、もう日本の宮城の経済自体が成り立たなくなってしまいますので、これは私はおかしな議論ではないかなというふうに思っています」
和田政宗候補「今人材が不足しているところの分野、例えば介護の分野をはじめとしてですね、これはありますので、どういうような活用ができるのかということを考えたうえで、活用するんだというふうに思っています。将来的に私はAIやデジタルの発展でデスクワークをしている人材の方々の数というものはですね、余剰になってしまうというふうに思っています。もうすでに外国人材をどんどんどんどん入れていて、そういった方々がその現場にいるということになると、雇用の奪い合いというか争いが起きてしまうよね。まず全体的な調査と予測ということをしたうえで、外国人材の活用ということは考えないといけないと思います」
金山屯候補「世界との争いじゃなくて、やっぱり受け入れ態勢をきちんとして友好関係を結んで、対立するんじゃなくて、それでないと地球がそれでこそ本当にもうぶっ壊れてしまう、だから全然、外国人駄目なんてことは一切そんな全く逆だから」
遊佐美由紀候補「まず宮城で働きたい方はどなたでももちろん外国籍の方について必要な転職支援、日本語教育をしっかりと実現していきます。生活支援としては、生活文化が皆さんと違う時には地域コミュニティーの中でどこでも外国籍の方と共生できる多文化共生社会をつくっていく。資格を持っている介護士、看護士、保育士がいるんです。しかし特に保育、介護は給与水準が低過ぎるので就職していないんです、そこは改善していく。まずは今いる方を大切にしながら人材不足、人手不足を解消していきたい」
伊藤修人候補「自分の背景や思想、出自の異なる方、そういった方を排除しようだとか、そういった政策っていうのは政策としてそもそもあってはならないなと。人間それをこう、しっかり議論の力で変えていくっていう能力を持っていると思うので、そういったところを信じて、しっかり寛容な社会っていうのを訴えていかなければならないなと思っています」
【原子力・エネルギー政策】続いては原子力・エネルギー政策です。
宮城県では2024年、東北電力女川原発2号機が震災から約13年半ぶりに再稼働しました。再稼働は県の同意という手続きを経て実現しました。今なお原発反対の声が根強い中、どのようなエネルギー政策を目指していくべきなのでしょうか。
村井嘉浩候補「原発というのは、事故が無ければ二酸化炭素を排出しない極めてクリーンなエネルギーなんですね。ただ事故を起こした時には大変なことになってしまう。従って事故を起こさないように安全管理を最優先に、もし何かあった時には速やかに県民の皆様に情報提供する、そこは何よりも最優先でやりたいと思っていますが、原発は私はエネルギーとしては必要なものだと、ベースロード電源だというふうに考えています」
和田政宗候補「再稼働できる原発については再稼働していくという形で、毎年電力不足になるというような状況というものは、これは県民生活、国民生活が困るわけでありますので。小型モジュール炉も含めてですね、より安全性の高い原発、原子力発電というものの技術が生み出されておりますので、そういうものを新設していくのかそのほかの例えば水力発電を強化するというようなやり方などもありますし、私は県民の声をしっかり聞いてですね、判断をしていく知事でありたいというふうに思っています」
金山淳候補「私直接関係してないんで、内容がよく分かんないのでお答えしかねます。その現場で働いている人、それを専門に学んでいる人、経済的にもそういう商売している人、その意見を知事が聞いて、それをまとめるのが知事の仕事であって」
遊佐美由紀候補「私は30年間、原発はゼロの方向。そして再生可能エネルギーに転換すべき、これは世界の潮流であると思いますので。今の国の考え方に追従することではなく、やっぱりしっかりとゼロに向けたロードマップを宮城県ならではでつくっていき、住民の避難計画、実行性の計画をつくっていく。再生可能エネルギーの世界の技術を、廃炉技術をですね、周知して集積していくことも新しいこれは取り組みではないか」
伊藤修人候補「再稼働の方向で進んでいるというところで、決してすぐにそれを撤廃しようといった考えはないですけども当然福島の事故のこともありますし、また最終処分地がまだ決まっていないという問題もあると思うので、そういった中で原子力の行く末というものをしっかり考えていきながらやっていく必要があるなと思っていました」