12日に宮城県富谷市の住宅地で男性がクマに襲われけがをするなど、市街地でのクマの出没が相次いでいます。
新田智紀記者「クマは住宅地を歩いていた男性を背後から襲った後、堤防を西に向かって逃げていったということです」
12日午後9時前、富谷市の住宅地を歩いていた64歳の男性がクマに襲われ、顔や頭、背中などにけがをしました。「急に背後から襲われた」と話しているということです。 ツキノワグマは臆病な性格で、自分から人を襲うことは少ないと言われています。
専門家は、何かクマが驚くようなことが起きた可能性などが考えられると話します。
東北野生動物保護管理センター宇野壮春代表「大体襲われるパターンは出合い頭ですよね。やはりクマも驚いて人に掛かってしまうパターンですね。あとは子どもがいて子どもを守るための行動として襲うパターンですね」
男性が襲われた現場は、富谷市役所から西に約500メートルの住宅地で、近くには小学校や幼稚園もあります。通学には保護者が付き添うなど、周辺では警戒が続いています。
「クマが出たというのはたまに聞くが、襲われるというのはあまり聞いたことがなかったのでちょっと心配です」「クマに遭った時の対処法をたまに伝えているが、子どもが小さいので難しいと思う」
富谷市では、2年前にも今回の場所から2.5キロほど離れた住宅の庭でクマ2頭が防犯カメラで撮影されていました。
仙台市でも7日、中心部に近く観光客が多く訪れる瑞鳳殿の近くでクマが目撃されました。
車の往来もあり人通りも多い住宅地に、クマはどうやって現れるのでしょうか。
東北野生動物保護管理センター宇野壮春代表「(クマは)基本的に森林性動物ですので、森林伝いに自分の身を隠せるような形で移動してきてると思います。今回は川沿いに森、藪があったということですので隠れながら移動したのかなと思いますけどね」
クマは、冬眠をする11月にかけて餌を求め更に出没する機会が増えると見られます。
東北野生動物保護管理センター宇野壮春代表「住宅の柿とか栗とかは狙われやすい対象。秋になると夜も活発に動いて、冬眠に備えて栄養をたくさん蓄える。餌となるものと思うものはなるべく撤去したり、生ごみの処理とかですね誘引物を除去する」