「意図的に出した」「侮辱ではない」—。
宮城県の村井知事は5日の定例会見で、10月の知事選でのインタビュー中に舌を出した行為について説明しました。ネット上では「品格に欠ける」などとして批判の声が上がっていました。
問題の行為が起きたのは、知事選の投票日10月26日の夜です。知事選で村井知事は、参政党の応援を受けた元参院議員の和田政宗氏に約1万6000票差で競り勝ち、県政史上最多の6選を決めました。当選を確実にした後にインタビューを受けた村井知事は、参政党や神谷宗幣代表について問われると「神谷さんも一生懸命応援されました。選挙が終わったらノーサイド。関係ありません」などと回答。話し終えるとペロリと舌を出し、会場にいた支援者からは笑いが起こっていました。
SNS上では村井知事の「舌出し」に批判の投稿が相次ぎ、対立候補だった和田氏も「懸命に応援に入ってくださった方々を侮辱するようなことがあれば許せません。なぜ村井知事は、舌を出したのでしょうか」とXに投稿していました。また宮城県には、約300件の批判や意見などが寄せられたということです。
5日の会見で村井知事は、「舌を出しました。意図的に出しました。理由は、神谷さん私の気持ちわかってくれるかなという思いを伝えたかった。侮辱するではなく、心からノーサイドなんですよ、と」と説明。ユーモアを交えた行為だったと釈明しました。
また舌を出す行為については「(物理学者の)アインシュタインもやっている」などとし、「茶目っ気を持ってやった」「案の定、食いついてくれたということ」と述べました。
村井知事と参政党の神谷代表との因縁は7月の参院選にさかのぼります。宮城県の水道事業は、施設の所有権を県が持ちながら民間に事業を委託する「コンセッション方式」が導入されていますが、神谷代表は仙台市内の応援演説で「外資に売った」などと発言。村井知事が反論し公開討論を求めましたが、神谷代表は応じませんでした。
会見で村井知事はこうした経緯についても触れ、今後も神谷代表に認識の誤りを伝えたいという思いを語りました。