釧路湿原のメガソーラー計画で、相次いで法令違反が発覚している問題について、北海道は21日付で対応を強化し、悪質なケースでは行政指導を経ずに工事中止命令が出せる運用に切り替えました。

■土壌汚染調査“内容不十分”受理せず

 13日、北海道庁に呼び出された日本エコロジー。釧路湿原で進めるメガソーラー計画で、土壌汚染対策法違反の可能性が発覚し、20日までに土壌調査の計画書を提出するよう求められていました。

北海道環境生活部 谷内浩史部長 「再三、道からは速やかな調査実施を指導して来たなか、これまで(計画書の)提出がないということで」

 日本エコロジーは締め切り日の夜になって計画書を提出しましたが、北海道は受理せず、再提出を求めました。その理由は…。

北海道担当者 「事業者には調査能力はなく、調査委託会社に調査を依頼することになるが、その会社との契約関係の書類がなかった」

 これまでに日本エコロジーが提出した書類には、記録的大雪の日に「工事を着工した」など、正確性に欠ける記述があると指摘されてきました。

 今回、道が土壌調査の計画書を受理しなかった理由は他にもあります。

北海道担当者 「計画書に記載された着手日と完了見込みの日に幅がありすぎて具体性がない。調査地点の具体的な箇所が示されていない」

 一方、日本エコロジーは再提出に対して、道が示す調査地点について、こう主張しています。

日本エコロジー 「土地を購入する前に残土捨て場として使われていたため、そこが汚染されていても自分たちの責任ではない。調査地点から外してほしい」

 メガソーラーの建設予定地では、多くのタンチョウが飛来し、土壌に混入したプラスチックなどを食べてしまう危険が指摘されています。

 北海道の鈴木直道知事は21日の会見で、27回の行政指導に適切な対応が取られていないと、不満を漏らしました。

「様々な法律を遵守(じゅんしゅ)されていない。繰り返しの行政指導に従っていない状況を考えると悪質性があると思っている」

 北海道各地での違法開発などを受けて、道は森林法を含めた3つの法令の扱いを21日付で改正しました。

 これまでは事業者に対し、法的に工事中止を命令することができませんでした。

 21日付の新たな改正によって、悪質な場合は行政指導を経ずに、工事中止命令を出せることになりました。

鈴木知事 「違法開発は絶対に許さないという考えのもとに、新たな要領に基づいて違反に厳正に対処していく」

(「グッド!モーニング」2025年11月22日放送分より)