「経済の体温計」ともいわれる長期金利が上昇し、節目の2%に迫っています。今週の日銀の会合で利上げが判断されるとの見方が広がるなか、金利の専門家に話を聞きました。

 長期金利の代表的な指標である新規発行の10年物国債の利回りは8日に一時1.97%とおよそ18年半ぶりの高い水準に上昇しました。その背景は。

野村証券投資情報部シニアストラテジスト 尾畑秀一さん 「やはり市場の利上げ期待が盛り上がってるってことが大きいんだと思います。税制改正大綱が年末までに取りまとめられると思いますので、(財政拡張への)不安感から金利上昇っていうルートはあってもおかしくはないなというようには思います」

 このように述べ、年内の長期金利2%超えはあり得るとの見方を示しました。

 しかし、金利の上昇は必ずしも悪いことではないといいます。その理由は。

尾畑秀一さん 「世界に日本しかないならば、モノの値段も上がらずデフレ体質でゆるやかにそんなに給料が増えなくても株が上がらなくても物価も上がらないのでっていう生活はあまり不満もなかったと思うんですけれども、その一方で諸外国は皆バンバン成長していってますので、そうなると日本は海外から食料を買うにも、円も安くて金も稼げなくて買えません、スマホももうiPhone(アイフォーン)は持てません、ネットフリックスももう契約は続けられません、みたいな世界になっていってしまいますので」