高市総理が、来月8日の投開票が想定される衆議院選挙で、食料品の消費税率を時限的にゼロにする公約を検討していることがわかりました。選挙を前に、消費税率を下げたい政党が出揃いました。
■“時限的に”食料品消費税率ゼロ
あす19日、衆議院の解散を正式に表明する見通しの高市総理。政権幹部によると、あらたに“食料品の消費税率を時限的にゼロ”にする方針を自民党と日本維新の会の共通の公約とする案を検討していると言います。 去年10月に交わした連立合意では「飲食料品については2年間に限り、消費税の対象としないことも視野に検討を行う」と明記。 ただ高市総理はその後の国会審議で、慎重な姿勢を示してきました。 (高市早苗総理大臣)「レジの改修に1年以上かかるということで、まず物価高対策として即効性のあるものとしては諦めた経緯がございます」
おととい、立憲民主党と公明党が党名を公表した新党「中道改革連合」。こちらも目玉公約とする方針なのが、“食料品の消費税率ゼロ”です。 きょう18日、立憲民主党の野田代表は―。 (立憲民主党野田佳彦代表)「(高市総理は)慎重なお立場で、レジの準備等に準備がかかるじゃないかとかね、おっしゃっていたじゃないですか。もっと早く決断すれば消費税の減税は早くできたはず」 公明党の西田幹事長は、あす発表する新党の基本政策について、こう違いを打ち出しました。 (公明党西田実仁幹事長)「食料品の消費税を“恒久的にゼロ”にしていく。今、両党で協議をしているところであります」
与野党で、急浮上した食料品の消費税率をめぐる議論。 (共産党小池晃書記局長)「選挙になって要するに中道改革連合が『消費税の食料品ゼロ』って言い出したから、慌てて言い出したかなと」 高市政権誕生の立役者、麻生副総裁は財務大臣を長く務め、財政規律を重んじる立場です。 (自民党麻生太郎副総裁)「税制というのは少なくとも、今の場合、もうちょっと税制とかいうんじゃなく、規制の緩和のほうをもう少し積極的に考えたほうが物価は下がってくると思いますけどね」
買い物中の有権者からは、いろいろな声が―。 (70代)「大賛成です。消費税がゼロになるというんだったら、早い方が良いと思いますね」 (80代)「選挙のためにそう言っているのであって、うまく減税になっていけばこんなに良いことはないけど」 (20代)「ゼロになるんだったら嬉しいですけど、その面、財源とか大丈夫なのかなという心配もあったりします」 ちなみにこのスーパーでは食料品の消費税率がゼロになった場合、すぐに対応はできるのでしょうか。 Q.(レジは)すぐ対応できない? (Rマーケット伊藤真次店主)「いや、それはないです。大丈夫です。もうレジのシステム変えればすぐ、もう30分も、20分くらいでできちゃうんじゃないですか」
■「-20℃」極寒選挙区の対策は
異例づくめの衆院解散と新党結成で、選挙区では早くも水面下の綱引きが始まっています。 釧路市や根室市などを含む北海道7区。 (テレビ朝日千々岩森生記者)「北海道は釧路に来ています。現在、-3℃を記録しています。この凍てつく寒さの中、まもなく解散ということで国会議員の皆さん、地元活動を始めています」 テープの代わりに地元産の昆布をカットします。 (自民党鈴木貴子衆院議員(40))「おっきたきた、おいで、端っこ持って、しょっぱいからね。よろこんぶ、端っこ持って、みんなでお裾分け、はーい」 SLの出発式に参加したのは自民党で広報本部長の要職を務める鈴木貴子衆議院議員です。 (千々岩森生記者)「鈴木さんちょっと靴を見せていただいていいですか」 「はい」 (千々岩森生記者)「これって滑らないような靴になっているんですか?」 (鈴木貴子衆院議員)「一応ね、ガラス材っていうのかな、滑り止め機能が」 1月解散で2月投開票となれば1990年以来、36年ぶりです。 (千々岩森生記者)「今日は風ないからまだいいですけど」 (鈴木貴子衆院議員)「きょう暖かいです」 (千々岩森生記者)「暖かいって言っても-3℃でしたよさっき」 (鈴木貴子衆院議員)「もう-20℃の世界ですから。ここは特に7区、釧路管内、根室管内は雪はあまり少ないんですよ。雪が少ない分、寒い、しばれる。文字通り“寒さとの戦い”」
その36年前、1月解散で選挙戦を戦ったのが鈴木議員の父・宗男議員です。 (自民党鈴木宗男参院議員(77))「(冬の)選挙で大変なのはですね、車に乗って手を振ります。時速60キロで外走りますと、手振りますと体感温度というのは-40℃ぐらいなんです。ですから、やっぱり活力というか、バイタリティーのない候補者は、やっぱり雰囲気で負けてしまいますね」
■党名浸透せず?“追い風”乗れるか
対する立憲民主党の議員もスキーウェアを着込み、万全の寒さ対策をしています。 「おはようございまーす」 人権派弁護士から転身し、前回は比例復活だった立憲民主党の篠田奈保子衆議院議員。 (立憲民主党篠田奈保子衆院議員(53))「たぶん中に電熱ベストとか二重の備えが必要かなと思ってます。夜は特にね、冷え込みますし。例えば吹雪になって投票の日に行けないとかね、足元悪いから行けないとかそういう方も現れるのでね。有権者の立場からしたらね、本当に投票の機会の確保、しっかりできるのかなってすごい不安ですね。なんで今なんでしょうね。本当に怒りしかないですね」
(千々岩森生記者)「バタバタですか?」 (篠田奈保子衆院議員)「バタバタですよ。もちろんです。みなさんもそうだと思いますが」 (千々岩森生記者)「今回公明党が動きましたけど、そこはどう捉えている?」 (篠田奈保子衆院議員)「私たち立憲民主党にないさまざまな活動も、地に足をつけた活動もたくさんされている、信頼にたる政党なので、そこのご支援をいただけるということは本当にうれしく思っています」
「せーの、よいしょー」 きのう17日に開かれた立憲民主党支部の会合。事実上の総決起集会の様相を呈していました。 (篠田奈保子衆院議員)「本当に困った人たちを置き去りにした、無責任解散であります」 「与党に、議員になるように、篠田奈保子をみんなの力を合わせて押し上げようじゃありませんか。がんばろう」 新党結成で「追い風」が吹いている篠田議員。
前回、2024年の衆院選では約2万2000票差で鈴木氏に競り負けています。しかし、公明党関係者によれば組織票は約1万2000から3000票。仮にこれが篠田氏にすべて回れば、結果は逆転します。 一方、篠田氏にはこんな問題も… (有権者)「新党?なんだっけ中道…」 (篠田奈保子衆院議員)「『中道改革連合』ね。私もまだね」 (有権者)「あんまり覚えにくいんだよね。もうちょっとこう、分かりやすい名前にしてよ」 (篠田奈保子衆院議員)「私もまだカミカミでね、ちゃんと言えないので、しっかりと連呼しながらちょっと口を慣らしていきたいと思っております」 (有権者)「応援するから」
立憲民主党を離党し、新党に入党するのがあさって(20日)のため、車のステッカーもまだ立憲のままです。 Q.選挙間近で党名が変わると不利なのかと思ったが? (篠田奈保子衆院議員)「だけど篠田奈保子は変わらないのでね。私はそのままで篠田奈保子で、この地域の代表として選んでくださいということを訴えて行きたいと思います」
宗男議員は公明党の動きに危機感を募らせています。 (自民党鈴木宗男参院議員(77))「(公明党の)最大の支援母体である創価学会がまさに大きな決断をされているわけですから。私は大変な選挙になると、こう思っています。(北海道の当選者が)ゼロになる。そのぐらいの危機感を持って臨まなければいけないと」
■新党結成公明票は「最後は人と人」
(鈴木貴子衆院議員)「おっ、あとで回る」 (市場関係者)「おっ、がんばれよ」 17日、釧路市の市場で挨拶回りをした自民党の鈴木議員。 (鈴木貴子衆院議員)「今日は皆さんどちらからですか?」 (観光客)「東京」 (鈴木貴子衆院議員)「キツネ見てシカ見て貴子か宗男を見たら、これで道東はコンプリートです」 前回の衆院選で「政治とカネ」の逆風に見舞われた鈴木議員。公明党の支援は大きな支えだったといいます。 応援演説には公明党の地元議員も駆けつけていました。 (公明党田中英樹道議)「野党は『裏金裏金』騒ぎますけども、公明党がいるからこそ自民党がしっかりとまた軌道修正して…」 その田中道議に聞きました。 Q.これから鈴木貴子さんは敵になるんですか? (公明党田中英樹道議)「まあ今回の(新党)『中道』についてはもう完全に現政権の対抗軸ですので、必然的にそのような形になると思います」 Q.最近会われました? 「昨夜会いました」 Q昨夜会われた? 「はい、とある会合で。まあ鈴木代議士から『党対党もあるけども人とのつながりもありますよね』っていうような、そういうお話はされていました」 Q.田中さんの方はどうでしょう? 「私としてもやっぱり非常にこれは、これまで何年も一緒にやってきた、そういう経緯がありますので、今日からバツンというのもなかなか難しい部分はあると思いますね」 公明党議員の間に戸惑いが広がっています。 (千々岩森生記者)「少なくとも、2月の選挙に向けては自民党は敵?」 (公明党釧路総支部松橋尚文総支部長)「敵でしょうね、敵か味方かと言えば敵になるんでしょうね」 Q.あまりそうはなりたくない? 「そうはなりたくないですね」 鈴木議員はこれまでの活動で築き上げた公明党議員や支援者との関係に期待を寄せています。 (鈴木貴子衆院議員)「最後、投票場に行った時には個人の判断です。やっぱり最後は人と人だと私は思っています」
さらに、今回の衆院解散が異例なのは、衆院議員の在職日数が454日(23日時点)でまだ任期の3分の1にも達していないことです。 1953年、吉田茂総理の「バカヤロー解散」は165日。 1980年、大平正芳総理の「ハプニング解散」は226日で、今回の解散はこれに次ぎますが、内閣不信任決議が可決されていない解散としては戦後最短です。
■“異例解散”「選挙の暇あったら…」
わずか1年3カ月で2度目の解散総選挙に切実な思いを抱える人も… (「萩の華」店主)「選挙なんかやっている暇があったら、もうちょっと物価高とか庶民目線で考えて欲しいよね。このまま物価高が続くと経営するのが厳しくなってくる」 鮮魚が自慢の飲食店を営む萩原さん。止まらない食材費の高騰に、閉店も検討し始めました。 (「萩の華」店主)「価格はやっぱり魚自体の値段が上がっているから、1.5倍ぐらい高くなっているのもあるし、2倍近いのもあるし」 人件費を削減するため、アルバイトは雇わず1人で切り盛りしています。 「下町で、地元でやっているから、美味しいものを安く出してあげられればなって」 こだわりの刺身の盛り合わせは1500円。物価高にあっても値上げはほとんどせず、原価率が5割を超えてしまった商品もあると言います。 (「萩の華」店主)「サラリーマンの人とか、給料上がらないで物価が上がっていたら、こういう飲食・外食って一番削りやすいところでしょ。(値上げ)したいけどできないよね」 「やっぱり消費税、食品に関して消費税は本当なくしてほしい。今度の選挙で、どういうふうに政治が国民目線で考えてくれるようになるかっていうのも、期待はできないけど、そこに期待するしかない」
1月18日『有働Times』より