川を埋め尽くすのはスーパーの野菜売り場にも並ぶ「外来植物」です。大繁殖する、この植物の正体は。

■なぜ?川に「クレソン」大繁殖

 愛媛県松山市内の川を一面埋め尽くす緑色の植物。

地元の人 「(Q.正体は知っていますか?)知らない」 「(Q.食べたことは?)そんなのない」 「これは何ですか?クレソン?食べられるクレソン?」

 正体はクレソンです。以前、この川は別の雑草が目立っていましたが、今はクレソンだらけ。繁殖期はまさに今、4月に入ってからです。

 明治時代に食用としてヨーロッパから輸入されたクレソン。食用として重宝される一方、繁殖力の強さから生態系被害防止外来種に指定され、愛媛県内でもほぼ全域で野生化しているということです。

東京農工大学 藤井義晴名誉教授 「水にも強いので川で大繁殖。オーストラリア、ニュージーランドでも問題になっている」

 問題は強すぎる繁殖力。水耕栽培のクレソンは16日間で倍の高さまで伸びていきました。

東京農工大学 藤井義晴名誉教授 「茎、根のちぎれたところから猛烈に繁殖。茎が少しでも残っているそこから芽が出て個体に成長する」

 住民を悩ますのは狭くなった川の流れです。

地元の人 「去年かおととしか氾濫した時に(川が)あふれた、初めて。行政が入って刈ってくれたので今は現状きれい。多分1年経ったら真緑になる」

 しかし、駆除は簡単ではないといいます。

東京農工大学 藤井義晴名誉教授 「駆除する時は完全に取らないと、上からちぎったり、ひっこ抜いたりしただけではかえって広げてしまう」

■水面埋めつくす…食べられる?

 そもそも、なぜクレソンが広がったのか。きっかけは…。

東京農工大学 藤井義晴名誉教授 「濁った川でも成長できる。窒素、リンという栄養素、生活用水が流れて込んできて、栄養分が増えた川と池ではどんどん大きくなる」

 実際に川を見てみると、川の上流から流れてきたクレソンがペットボトルのごみなどと一緒に固まりになっています。

東京農工大学 藤井義晴名誉教授 「(Q.ささいなきっかけで増える?)(クレソンは)野菜として食べられている。普通に店で売っている。食べなかった根などを切り落として捨てたりすると、それが川に入るとそこでどんどん繁殖している」

 愛媛県は食用として意図的に移植したものが繁殖した事例もあるとしています。ちなみに野生のクレソンには寄生虫がいて生で食べることは危険。

 寄生虫に詳しい岩手大学の関まどか准教授によりますと、肝蛭(かんてつ)という人の肝臓に寄生する寄生虫がいて、野生のシカやイノシシの生息地近くでは、そのふんを経由してクレソンに付着している可能性があるということです。