クマの出没が相次ぐなか、これから増えていくとみられるのが“親子クマ”です。専門家は「単体のクマよりはるかに危険度が高い」と警鐘を鳴らしています。

■親子クマ出没「危険度が高い」

 人里近くの斜面を動く大小2つの影。親子のクマとみられます。一度カメラを下ろした次の瞬間…。数が増えています。

 隠れていた子グマも姿を見せたのか、合わせて4頭のクマが歩いていました。

 22日に秋田県羽後町で撮影された映像は、撮影者によると、自宅から300メートルほどの距離に親子とみられるクマがいたということです。

 4月下旬に人里に現れた親子グマ。専門家は異変を感じ取っていました。

岩手大学農学部 山内貴義准教授 「単体で冬眠している個体が先に冬眠から明けて、親子グマは一番遅く冬眠から出てくると言われる。今年はクマの冬眠明けが親子連れも少し早い」

 例年は5月に入ってから冬眠から明けることが多いという親子グマ。あまりにも早すぎる目覚めに春の行楽シーズンにも懸念が…。

岩手大学農学部 山内貴義准教授 「子グマがいることで子グマを守る母性本能が働き、非常に警戒心が強くなっている。ピリピリしてるような状態。単体の個体よりはるかに危険度は高い」

 冬眠明けの母グマが持つという特有の緊張感。それを捉えた映像があります。

 4月上旬、木を登る2頭のクマ。下にいる母グマがもっと高い場所に行くように促しているようにみえます。

 木の下にはもう1頭、別のクマがいました。母グマは口を大きく広げ、ほえています。

白山自然保護センター職員 「たぶん威嚇(いかく)ですね。ほえて何か警告していたと思う。(下にいたのは)おそらく若い雄のクマでは」

 白山自然保護センターによると、若い雄グマは子グマを攻撃することも。危険を察知した母グマが威嚇し、その後もう1頭のクマは立ち去ったといいます。

 こうした子グマを守ろうとする警戒心が母グマを人里に近付ける要因にも…。

岩手大学農学部 山内貴義准教授 「親子グマは小さい子を連れていると、子グマが(他のクマに)襲われる可能性があり、強い個体がいるところより、いないところを動き回る。必然的に里に近いところなので、親子グマがびっくりするぐらい人里周辺に現れることもある」

■クマ撃退グッズ“意外な原料”

 ゴールデンウィークに向けて親子グマに警戒が必要ななか…新たな撃退グッズも登場。

 大きな音の後、おりの中を右往左往するクマ。明らかに落ち着きをなくしています。

 愛媛県の防犯グッズを作る会社が開発したクマ撃退用ランチャーの実験映像です。

 射程はおよそ15メートル。周囲に着弾するとクマの嫌がるにおいが広がり、クマを追い払うことを目的としています。

 このグッズの秘密は、発射する茶色の弾にあります。

スナミヤ 砂見明社長 「海の厄介者ヒトデ。ヒトデを粉砕して発酵させて、強烈な嫌なにおいがする液体とカプサイシンという成分をミックスした忌避剤。動物園のクマで実験したところ、においだけでも逃げていく」

 クマ撃退用ランチャーは、来月から販売予定。すでにクマの出没が相次ぐ地域の会社から問い合わせが来ているといいます。