動物園などで人気の「ふれあい体験」をやめる動きが広がっています。動物のストレスを減らすためということですが、葛藤する現場を取材しました。

■「ふれあい」やめる理由は?

 オープン前の動物園にできた長い行列。お目当ては、動物とのふれあい体験です。112人分の整理券の配布は、たった5分で終了しました。

 この動物園では、ウマやヤギなどへの餌(えさ)やりをはじめ、頭をなでたり、ブラシで毛をとかしたりできます。

 そんな人気の「ふれあい体験」ですが、今、動物園では見直しの動きが出ています。

豊橋総合動植物公園 「3月18日をもちまして、ふれあいを終了いたします」

 子どもたちに人気のカピバラやモルモットなどとの「ふれあい体験」。急にやめることになった理由は…。

豊橋総合動植物公園 鈴木由紀子飼育員 「外的なストレスがかかっている中で、無理やりふれあいを進めると大きなストレスになってしまう」

 ストレスの理由の一つが「気温」です。暑さや寒さの厳しい屋外では動物への負担が大きく、人に触れられることでストレスが増すといいます。そのため、夏場はウマやヤギとのふれあいも中止します。

大阪から来園 「できなくなったんですね。子どもがやりたいと言って来たが、残念ですね」

■教育現場に貸し出す取り組み

 横浜市にある「ズーラシア」も今年3月に、モルモットやパンダマウスとのふれあいを終了しました。

 福岡市の水族館も去年10月に、海の生き物に触れられる「タッチプール」を閉鎖。来場者に荒っぽく扱われるなどして、ヒトデなどが衰弱するケースもあったといいます。

 一方で、動物との「ふれあい」は、命の大切さなどを知ってもらう大切な機会でもあります。

鈴木飼育員 「最初は触り方も分からなくて怖いとなっても、最後だとみんなすごく笑顔だなと思います。動物ファーストで考えたいという気持ちもありつつ、そういうお客様の表情とか見ていると、やめづらいです」

 かつては、ウサギやニワトリなどを小学校で飼育する光景が一般的でしたが、この10年ほどで一気に減少しました。餌代の高騰や教員の負担軽減などが理由です。

 動物を守りながら、ふれあいの機会を作ろうと、獣医師会ではモルモットを教育現場に貸し出す取り組みも始めています。

愛知県獣医師会 杉本寿彦獣医師 「(返却する)お別れの時はすごく寂しくなるようで、いろいろな会を設けてくれたりする。今の子どもたちが動物とふれあう機会をなくさないことが一番だろうと思います」

(2026年5月4日放送分より)