東北最大の歓楽街、仙台市青葉区の国分町で違法な客引き行為が横行しています。仙台市が新たに始めた対策、民間企業へのパトロール委託の効果と課題です。
週末の夜、多くの人でにぎわう青葉区国分町で店を探しにメインの通りを少し歩くと。
客引き「次とかって決まってました?」「お探しのほうは?」「なんか探してます?居酒屋も行けます。何食べたいですか」
通行人に声を掛けて飲食店や風俗店に誘う、客引き行為が横行しています。通行人に声を掛けた客引きとみられる男女は、この一角だけでも少なくとも10人以上でした。
条例や法律ではしつこく付きまとうなどして店に呼び込むことは禁止されていますが、記者が街を歩くと。
客引き「お探しのほうは?ガールズバーかラウンジ。僕的にはラウンジのほうおすすめしていて、女の子隣につくので満足度は高いかと。お時間いただけるなら本領発揮します。他の所に行かれるの悔しいので」
次に話し掛けてきた客引きの男性は、全国の繁華街を転々としているということです。
客引き「全国回って色々な所に先輩後輩できるから、ちょっと店手伝ってってと言われて。グループでやってる人もいますし、決していい仕事じゃないので。怪しさ満点なんで。今、国分町って日本で一番キャッチが多い。全部が全部じゃないが行儀悪いのもいる」
客引きの数はコロナ禍後から増え始め、宮城県で摘発された客引きは2025年は44件に上りました。
街の人「有名だから寄ってってよと声を掛けられた。怖いからついては行かない」「そこまで高額のはないですけど、最初に話し掛けられた時の金額より高いなというのはあった」
仙台市が対策に乗り出しました。6月、民間の警備会社に委託し客引きのパトロールを始めました。業務を担うのは、東京の六本木や歌舞伎町などでも活動経験がある警備会社です。12人の警備員が巡回して拡声器で注意喚起するほか、客引き行為を目撃したら直接声を掛けます。
条例に違反する行為行為であると警告し、従わない場合は5万円以下の過料を科し、客引きを雇った店名と違反者の氏名を公表します。警備員の中には、格闘技経験者もいます。パトロールが現れると、客引きの姿はほとんど見られません。
客引きパトロール「最初の目標であった、客引きをしづらい国分町に向け徐々にその効果が出てきたと思っております」
パトロールの時間は、警備員の終電の時間などもあり火曜日から土曜日の午後4時から午後11時までとなっています。客引きトラブルに詳しい高田英典弁護士は、課題を指摘します。
高田英典弁護士「午後11時を過ぎてから被害の本番になっている。キャッチの人も目の届かない所でやればいいだけだし」
更に客引きをきっかけに、ぼったくりのトラブルも深刻だということです。
高田英典弁護士「客引きが連れて行く店が、非常に高額な飲食代金を払わせる」
高田弁護士に相談した男性は、国分町で客引きに声を掛けられ、紹介された店で酒を飲み6万円を払いました。更に別の店も紹介されて入店した後に記憶が無くなり、気が付けばクレジットカードで120万円支払われていたということです。
国分町を管轄する仙台中央警察には2025年、ぼったくり被害の相談が約140件寄せられていて被害総額は約8000万円に上っています。
高田弁護士は被害増加の背景として、客引きが店から高額な見返りを受け取るキャッチバックが影響していると指摘します。
高田英典弁護士「国分町界隈でいわゆるキャッチバック、店が客引きに払う報酬が客が使った金額の4割と非常に高額になっている。客引きとしてもぼったくりしてくれる店に連れていく」
高田弁護士らは4月に被害対策弁護団を結成し、被害者の支援に乗り出しました。パトロールなど対策が進む一方で、根本的な解決には至っていません。
高田英典弁護士「単純な迷惑行為を超えた大きな被害を生み出す元になっている。客引きの規制はもっと強くしていかなければいけない」