関西電力が宮城県川崎町で予定している風力発電の計画地に、蔵王国定公園が含まれていることが分かりました。県の審査会では、これについて批判が出ました。

 関西電力は、川崎町の南西部に高さ140メートルから180メートルほどの風力発電の風車を最大で23基つくる計画です。

 仙台市青葉区で開かれた県の環境アセスメントに関する技術審査会で、関西電力が予定する風力発電の計画地に蔵王国定公園が含まれていることが指摘されました。

 審査会の会長で、景観を専門とする東北大学の平野勝也准教授は、計画地が国定公園にかかるのは極めて異例だとして「普通の事業者はそのような場所は避ける」と批判しました。

 これに対し関西電力の幹部は「国定公園を軽視しているわけではない」としつつも「今後調整していく」と述べるにとどまりました。

 風力発電計画について関西電力はスケジュールを明らかにしていませんが、川崎町によりますと関西電力は2028年度の着工、2031年度の運転開始を目指しているということです。

 また、審査会では蔵王の御釜からの眺望に影響が出る点についても懸念の声が上がりましたが、関西電力は「計画が実現した場合のイメージ図を近く公開できるよう準備している」としています。