宮城県の川崎町に計画している風力発電について、関西電力は、東日本放送の取材に対して、国定公園の中には風車を建設しないよう計画を見直す方針を明らかにしました。

 関西電力は川崎町の南西部に高さ140メートルから180メートルの風力発電の風車を最大で23基造る計画です。

 関西電力が町や県に提出した「計画段階環境配慮書」では、赤い線で囲まれているのが事業の想定区域となっています。その内側の黒い実線で囲まれている部分が風車の設置想定範囲で、南西側が蔵王国定公園に食い込んでいます。

 国定公園は国立公園に準じる景勝地として環境大臣が指定するものです。

 16日に開かれた環境アセスメントに関する県の審査会では「国定公園にかかる計画は異例」「普通の事業者は避ける」など関西電力への批判が出ていました。

 東日本放送の取材に対し関西電力の広報は17日、「審査会での意見を真摯に受け止め、国定公園エリアに風車を立てないように計画案を検討する」と見直しを明言しました。

 県の審査会では蔵王の御釜からの眺望や景観に影響を与えることへの批判も出ていて、国定公園への建設を避けたとしても眺望などへの影響がどれほど軽減されるかは不透明です。

 関西電力の方針転換について計画の中止を求める住民団体は次のように話しています。

 蔵王風力発電建設計画の中止を求める会・佐藤大史共同代表「国定公園を外すということは最初からちゃんと配慮してほしい。何も配慮がなく進んでいたという印象ですね。みんなが考えて声を上げないと、そのまま計画が進んでしまう。関電には全部聞きたい。工事のことであったり、自然に対する影響のことであったり、何より地元から風車がどう見えるかですね」

 関西電力は「じっくり時間をかけて、事業ができるかどうかも含めて、地元の皆さまや関係行政機関と対話を続けていきたい」ともコメントしています。

 関西電力では20日から25日までに合計6回、川崎町で住民説明会を開催して理解を求めていくということです。