第168回芥川賞を受賞した仙台市出身の作家、佐藤厚志さんが仙台市と宮城県からそれぞれ表彰を受けました。

 佐藤厚志さんは東日本大震災をテーマにした小説「荒地の家族」で、1月に芥川賞を受賞しました。

 30日、仙台市の郡市長が佐藤さんに芸術や文化などの分野で優れた活動をし市民に感銘を与えたとして賛辞の楯を贈呈しました。

 郡市長「仙台市出身による芥川賞受賞の快挙は、私たち市民に大きな喜びをもたらしました。ここに109万市民とともにその栄誉を心からたたえ今後の更なるご活躍をお祈りいたします」

 佐藤厚志さん「今まで僕が苦しい時に癒やしを得たのが小説だったので、もしかしたら自分が書いたものを癒やしとして読んでくれる人が現れるかもしれないというモチベーションはあります」

 続いて佐藤さんは宮城県庁を訪れ、村井知事から特別表彰を授与されました。

 村井知事「アエルの書店、私も良く本を買っていた。そこで勤めながら執筆活動されて、そしてこのような大きな賞を受賞された努力も並大抵のものではなかったのではないかと思う」

 佐藤厚志さん「読んでいただいた人の何人かが亘理町なり宮城県なりに興味を持っていただいて、他の東北の作家も手に取ってみようかなと思ってもらえたらうれしい」

 受賞作の「荒地の家族」は、震災で仕事道具を全て失い、その後に妻を病気で亡くした造園業の男性が、元の生活を取り戻そうと奮闘する姿を被災地のリアルな情景とともに描き出しています。