2024年1月末で閉店することが決まった仙台市泉区のショッピングセンター、アリオ仙台泉についてです。地域経済に詳しい専門家は、商圏の変化がその背景にあると指摘します。

 アリオ仙台泉は、1992年にイトーヨーカドー仙台泉店としてオープンし、飲食店や衣料品店など38のテナントが入るショッピングセンターとして、30年以上地域住民の生活を支えてきました

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「アリオのような業態だと専門店街もあって(客を近隣だけでなく)もっと広い商圏から集めないと採算が合わない。どんどん需要は逆に減っていく中で、非常に厳しい状況に陥ったということだと思います」

 アリオ仙台泉の閉店について、七十七リサーチ&コンサルティングの首席エコノミスト田口庸友さんがまず1つ目の要因に上げるのは、商圏人口の減少です。

 2020年の国勢調査では、泉区の人口は21万2149人と5年の間に5000人近く減っていて、仙台市の5つの区で唯一人口が減少しています。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「仙台市に合併する前の泉市の時代から、郊外に大規模な開発を行った。その大規模な開発から半世紀を経て、住宅を取得した世帯が後期高齢者になり代替わりの時期になったが、子どもが出て行ったまま戻らなかったりと人口の減少が続いていると」

 2つ目の要因として、泉中央周辺の都市計画が駐車場が遠いなど車社会のニーズに対応していないことも買い物客が離れる要因だと指摘します。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「道路も狭いし駐車場も限られると、何かあるとすぐ渋滞してしまうといった車社会にとっては非常にストレスフルな環境になっていると」

 更に追い打ちをかけたのが。

 鈴木奏斗アナウンサー「2016年に富谷市にオープンした大型のスーパーです。広い駐車場を備えていて、平日ですが多くの人が買い物に訪れています」

 郊外型の大型商業施設をめぐっては、出店に関するルールが2000年に規制緩和されました。

 それに伴い、仙台市周辺でも泉区北部や富谷市などより安くて広い土地に出店が相次いでいます。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「超大型店の出店もあって一気に集客力を高めたと。広い駐車場が確保されているので買い物がしやすい。そうすると、郊外の大規模店舗の吸引力はますます増すということになると思います」