仙台市出身で元AKB48の俳優、岩田華怜さんが震災をテーマにした映画で主演を務め、アメリカの映画祭で最優秀主演女優賞に輝きました。岩田さんに映画やふるさとの人たちへの思いを聞きました。

 岩田華怜さん「宮城県から発信された映画が国境を越えて海外の映画祭で5冠を達成し、私も初めて個人名義で賞をいただいたのでそれがすっごくうれしいですね」

 岩田さんが主演した映画、最後の乗客は震災から10年を経た東北の街が舞台です。タクシー運転手と娘の親子愛を軸に、過去との決別や未来に導く光が描かれます。

 アメリカで開催されたグローバル・ノンバイオレント・映画祭で、最優秀作品賞や最優秀主演女優賞など5冠を達成しました。ロケは全て若林区の荒浜地区など、仙台市で行われました。

 岩田華怜さん「ラストシーンの撮影は海に行ったんですけれども、(撮影前は)雨がパラパラ降っていて。カメラを回した瞬間、雲が晴れて朝日が出てきて虹が懸ったんですね。雨が止んだんです一瞬。この地域で亡くなった方とか今残されて必死に生きている若林区の荒浜地区をはじめとした東北にいらっしゃる皆さん、日本中にいらっしゃる皆さんにすごく守られたなと」

 岩田さんは、小学6年生の時に仙台市内で震災を経験しました。

 岩田華怜さん「あの瞬間の揺れ始めた時の記憶や、映像で津波を見た時の記憶というのはそれこそ昨日のことのようですし、あの日の記憶と今もなお闘い続けている人たちは本当にたくさんいて。そういう人たちにもこの作品が届いて、自分はまだ生きてるんだって思ってくれたら本望です」

 映画、最後の乗客は2024年春の一般公開を目指しています。