宮城県が進める仙台医療圏の病院再編構想について、県立がんセンターとの統合について基本合意が結ばれた仙台赤十字病院は、地域住民らの反対が強い中なぜ統合を目指すのか、舟山名誉院長に聞きました。

 2023年12月、日本赤十字社と県などは仙台赤十字病院と県立がんセンターとの統合について、基本合意を結びました。

 仙台赤十字病院が統合のため名取市に移転することには、地域住民や患者らから強い反発の声が上がっています。反対を押し切ってまでなぜ統合を目指すのか、仙台赤十字病院の舟山名誉院長は背景に経営の厳しさがあると言います。

 舟山裕士名誉院長「ここ10年間赤字が続いておりまして、特にコロナの時期に患者数がかなり減って、しかも福島沖地震があった時に老朽化した病院がかなり損傷して、病室が長期間使えない時期があって、かなりの赤字が出てしまって取り返すのに苦労している。外来患者は、10年前の4分の3に減っている」

 患者数減少の要因の1つに、仙台市立病院が10年前に同じ太白区内に移転してきたことを挙げます。

 舟山裕士名誉院長「仙台市立病院のテリトリーに90%ぐらいは重なっていて、将来的に仙台市立病院との競合状態を解消するのは難しいということですね」

 厳しい経営環境の中、統合すれば新病院の建設費約300億円のうち200億円ほどが国からの交付金や県の支援で賄われることは大きいと述べます。

 舟山裕士名誉院長「ありがたい話でこちらとしてはすごく助かる。残りの100億を自分たちで用意しなくちゃいけないんですけれども、これはもう経営努力これから頑張ってやって収益を上げていくしかない」

 「車で15分の医療圏にに4万8000人ぐらいの人口がいるんですけど、名取市の場所は同じ条件で調べると5万人を超える人口があるので、患者さんの確保には有利だと思います」

 「統合の提案がなければ、自力で今後やっていかなくちゃいけないんですよ。住民に対して必要な機能を切り捨てていかないと生き残っていけない。病院が生き残って住民の皆さんに喜んでもらえるような病院にならなくてならない」

 「仙台赤十字病院は救急に力を入れた結果、救急に強い病院になりつつあるのでお互いの良い所、弱い所、がんセンターと組むことによってより強い病院になれるというメリットがあります」