上皇さまは10日、心臓の検査入院を終え、東大病院を退院されました。検査の結果、診断された無症候性心筋虚血とは、どのような病気なのか。専門家に聞きました。(5月10日OA「サタデーステーション」)
■無症候性心筋虚血と診断
10日午前11時半ごろ、上皇后美智子さまに付き添われ東大病院を出発された上皇さま。お住まいの仙洞御所に戻る際には、車の窓を開け、会釈される場面もありました。
上皇さまは、4月の定期検診で心臓の筋肉への血流が不十分になる心筋虚血が疑われたため、6日から入院し精密検査を受けていました。具体的には、心電図、レントゲン検査、心臓超音波検査、冠動脈CT検査などをおこなったそうです。その結果、「無症候性心筋虚血」と診断されたことが、宮内庁から発表されました。
『無症候性』とはどういう病気なのか。心臓の病気が専門の医師は…
心臓クリニックお茶の水 五十嵐健祐院長 「症状がなかったり、あまりはっきりしない場合を『無症候性』と言います。症状があるから重い、ないから軽いということでは必ずしもなくて、症状がない場合でも血流が悪いわけなので、当然、危険度は症状があってもなくても同様」
宮内庁は「日常の生活の中でメニューとしていた御殿内の運動、平場を歩くのと階段の昇降、そして筋力低下を防ぐための運動がセットだったが、それが少し負荷をかけたことで症状が出てきたと思っている」とし、日常的な運動は続けるものの今後負荷がかかりすぎないように検討するそうです。
■美智子さまは毎日お見舞い
今回、美智子さまは5日間、毎日お見舞いをされていました。側近によると「上皇さまのそばでお支えしたい」と強いお気持ちを持っていたそうです。宮内庁は、上皇さまは安心されているようだったとしています。
美智子さまがお支えする姿は、昔からずっと変わりません。2012年、上皇さまが心臓バイパス手術のために入院された時は毎日のお見舞いだけでなく、泊まりがけで付き添われることもありました。
上皇さま(2012年12月) 「入院中皇后は毎日病院に見舞いに来てくれ本当に心強く、慰めになりました。手術後のリハビリテーションの一環として病室の近くの廊下を一緒に歩く時にはいろいろな音楽をかけてくれ、自分も楽しそうに歩いていました」
一方で、美智子さまが入院された時は、上皇さまもお見舞いに行かれていて、お互いを思い合うご様子がうかがえました。
今後について、今の段階では手術はおこなわず、薬の投与をするということですが、宮内庁によると、これまで以上に慎重な経過観察が必要だとしています。