宮城県では初めて、現役の高校生が審判としてデビューしました。古川黎明の高橋海翔さんを取材しました。
春の高校野球地区大会が行われ、北部地区ではデビューしたばかりの若い審判が躍動しました。
高橋海翔さん(17)は、宮城県では初めての高校生の審判です。
高橋海翔さん「審判は試合を作れるのが一番の楽しさ。アウト、セーフのジャッジで試合の流れが変わる重要な役目があり楽しさを感じる」
高橋さんが通う古川黎明高校のS探という授業は、科学的な思考で様々なことを探求します。グループ毎にテーマを決めて研究を続け論文をまとめます。高橋さんのグループは地震について研究しています。
「東日本大震災とか地震の波形が載ってて気象庁の方に自分たちが作っている装置に同じ波形を再現しよう」
小学校3年生で野球を始め、6年生の時に審判に憧れるようになりました。
「プロ野球中継で球審の敷田さんがジャッジする姿を見た」
敷田さんはベテランの審判で、卍ポーズと呼ばれる独特のジェスチャーで知られています。
「審判ってかっこいい目指すきっかけになった」
2024年7月、高校2年生まで外野手兼ピッチャーとしてプレーしましたが、夏の宮城大会を最後に退部することを決意しました。
「野球でプレーすることより審判をしたい。中途半端な気持ちではいけない」
Q・退部する迷いは?
野球部員が少ない部員7人「海翔が審判する姿を見て情熱は感じるから」「俺らは止めない」
佐藤楓起投手(3年)「審判をやりたい気持ちが強くなったのかな自慢できる審判になってほしい」
4月29日、鹿島台中央野球場で勉強を続け、練習試合で腕を磨いた高橋さん。いよいよ球審としてデビューします。
「ボールが足に当たるんですよ。ファウルとかで痛いんですよ」
人懐こい笑顔を見せる高橋さんですが、防具を着けて、着替えると気持ちにスイッチが入ります。
「最初はグーじゃんけんぽん。築館さん勝って先攻」
初めて球審を務める試合は古川対築館、伝統校同士の一戦です。
堂々と、キレのある動きでジャッジする高橋さん。
「球審として視野を広く持つことを心がけました」
時折、攻守の切り替えを促します。試合は9回、1点リードの築館がスクイズを決めて2−0とリードを広げます。
1点を争う好ゲームは築館が勝利。両チームともにエラーがなく引き締まった内容でした。
「1時間54分ナイスゲームでした。ボールをちゃんと見ていなくて、ファウルチップで三振を取っちゃったり、細かいところが甘いので、もっと練習を積んで精度を上げていけるように頑張っていきたい」
県高野連付属審判団北部地区・石川英孝支部長「取り組む姿勢が良いし真面目。かなり審判に向いている。審判は人手不足高齢化も進んでいる。若い人たちも高橋さんの姿を見て入る人が増えればうれしい」
球審としてデビューを果たした高橋海翔さん。今、大きな夢があります。
「小学校の頃はプロの審判として高校野球の審判に携わって、甲子園で審判をしたい。甲子園の審判は動き方やジャッジのキレが違うので、勉強になる審判しか見ていない」