仙台市の4月の消費物価指数は、前年同月から3.9%上昇しました。上昇率が3%を超えるのは6カ月連続となります。物価上昇の理由と物価上昇はいつまで続くのかについてです。

 天候の影響を受けやすい生鮮食品を除いた仙台市の消費者物価指数の推移です。2015年から2020年までは物価上昇はほとんど見られませんでしたが、2021年から急激にインフレが進み、わずか3年で1割も物価が上がったことが分かります。

 物価上昇のきっかけは、ロシアのウクライナ侵攻などで輸入品の価格が上がったためだということです。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席「2022年2月のロシアのウクライナ侵攻と、3月のアメリカ中央銀行の金融引き締めによる円安の記録的な進行。資源価格の上昇と円安が相まって、輸入価格が上がったことが大きな原因となった」

 更に、人手不足による人件費上昇やドライバーの働き方改革で物流コストが上がったことも物価高に拍車を掛けているということです。

 物価が上昇すれば賃金も上昇すると期待されていましたが、給与が上がっても物価に追いついていないのが実情です。

 労働者の組合でつくる宮城県労連は、物価上昇で増えたはずの企業の利益が従業員の給与に反映されていないと指摘します。

 宮城県労連高橋正行議長「経済の原理で言えば、物価が上がればそれに伴って賃金が上がるのが当たり前の事。ところが経済の原理に反するようなことが日本では起きている」

 物価上昇と実質賃金の低迷はいつまで続くのでしょうか。

 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「物価が下がる理由が見当たらないので、上昇または高止まりが続いていく。政府の価格抑制策が無くなると物価が一段と上昇していく」