コメ高騰のなか、なぜ今、食べ放題ができるのでしょうか。
■コメ食べ放題でも“儲かるワケ”
魚沼産コシヒカリが、なんと食べ放題。
“おかわり”した客 「ペロッと平らげました」
さらに国産米を使った弁当がまさかの275円。
“激安弁当”を購入 「安いよね」
備蓄米が2000円台で売られるとはいえ、スーパーのコメの価格は高止まりしたまま。
そんななか、なぜ食べ放題や激安弁当が実現できるのでしょうか。そこには知られざる工夫と努力がありました。
ジューシーに焼き上げたハンバーグが自慢の茨城県土浦市のレストラン。お供のごはんは最高級の魚沼産コシヒカリ。
ごはんはなんと、おかわり自由なのです。
お客さんは次々とおかわり。ハンバーグと相性バッチリのごはんが止まりません。
“おかわり”した客 「いいですよね、食べ放題は」 「最高です」 「(Q.“おかわり”のサイズは?)大盛りです」
魚沼産コシヒカリといえば、小泉農林水産大臣が視察した都内のスーパーでは、5キロ6000円超えの超高級米です。
そんなコシヒカリを毎月1トンも使う店。なぜ、赤字覚悟にも見える食べ放題が実現できるのでしょうか。
その秘密は店の中にありました。
店員 「(Q.この黒い機械は?)こちらは精米機になります」
実は、この店は魚沼産のコシヒカリを玄米で仕入れ、毎日30キロ自前で精米しています。
にく半 イオンモール土浦店 萩原勇作代表 「普段から玄米で1等のコメを仕入れて毎日、使っています」
約1時間かけて玄米を精米。黄金色の玄米がツヤツヤの白米に。
にく半 イオンモール土浦店 萩原勇作代表 「(業者側が)ひと手間、省けるので非常にコスト的には安くは仕入れられます」
店で精米することで業者側の手間省け、市場価格よりも安く入っているといいます。
食べ放題の秘密は精米機の導入だけではありません。
にく半 イオンモール土浦店 萩原勇作代表 「当店では契約農家さんと年間で契約をしていて、一定の値段で仕入れることができています」
店は年間12トンのコシヒカリを農家と年間契約することで、安定した価格で仕入れていました。
さらに毎日、精米しておいしい状態で提供することで、農家側も特別価格に応じてくれるといいます。
にく半 イオンモール土浦店 萩原勇作代表 「魚沼産のコシヒカリがおかわり自由で食べられるという魅力で、実は客数が非常に増えておりまして、なんとか頑張れている状況」
■史上最高値でも“お得サービス”
ごはん戦略は他の店でも…。
千葉県流山市にある弁当屋さん。
30個以上あった弁当が残り4個。その理由は麻婆豆腐やハンバーグなど、国産米を使ったお弁当がなんと550円。
さらに70歳以上は2割引きに。
常連客 「どっちにしよう、ハンバーグにしよう」
27日は常連客も…。
店員 「440円です」
お弁当が2割引きに。
常連客 「時々サービスしてくれる。今、コメも高いですよね」
さらに、夕方になると弁当は275円に。
この弁当店、実は近くの中華料理店が運営しています。
1000円以下で味わえる中華のバイキングは国産米がおかわり自由。
客(50代) 「このご時世ありえない、あんまりない。安いとおもう」
コメが高騰するなか、サービスを続けられる秘密が客との絆でした。
中国料理 小満堂 大平芳社長 「常連の農家の協力してもらって(スーパーの店頭価格より)40%くらい安い」
この店のコメの仕入れ先は常連客の農家。
仕入れている千葉県産のコシヒカリは10キロあたり6600円ほどで、市場価格よりも1000円ほど安く仕入れられているといいます。
さらに、涙ぐましい企業努力も…。
中国料理 小満堂 大平芳社長 「従業員と協力して人件費を削減している。今、4人で回している。本当はあと2人増やしてほしい」
客を笑顔にする、その裏には店の努力と手間を惜しまない工夫がありました。