小泉農林水産大臣は27日夜、随意契約で売り渡す備蓄米の申し込み対象を、中小の米穀店などに広げる方針を示しました。仙台市の米穀店からは「申し込みを検討するが、客がどう判断するか未知数」といった声が聞かれました。

 小泉農水大臣「今まで対象とならなかった中小のスーパー、まちのお米屋さん。こういった大手ではない所を対象に新たな随意契約を、早ければ金曜日(30日)に再開したい」

 仙台市太白区にある米の販売店、米工房いわいは農家などから直接米を仕入れ、市価より1割ほど安く販売しています。

 岩井宏太会長は、随意契約の申し込みを検討するものの不安はあると言います。

 米工房いわい岩井宏太会長「うちもそれなりに種類が多くなれば、お客さんの選択肢があるからそれはそれで構わないんですけれども、それを客がどう判断するかは未知数ですよね」

 また、小泉農水大臣が27日まで備蓄米の申し込み対象を大手に限定したことに怒りをにじませます。

 米工房いわい岩井宏太会長「今回は卸屋さんも通さないで直接一発で大手にいってしまったっていうのは、とんでもないやり方」

 備蓄米の価格が5キロ2000円以下で販売されることについて、宮城県の農家は新米の価格に影響が出ないでほしいと訴えます。 米どころ大崎市で、5月に約18ヘクタールでひとめぼれやササニシキなどの田植えを終えた佐々木崇行さんです。

 米の価格が高騰している中で、備蓄米が5キロ2000円以下で販売されることについては抵抗は無いと言います。

 佐々木崇行さん「高く売る米でもないですし、なのでそこを2000円で出すっていうのは正直私感覚としては、おかしなことではないかなっていう。それで米の価格の高騰が落ち着くのであれば、それはまあいい政策なのではないかなとは思っています」

 一方で、これから育てて秋に出荷する新米にまで備蓄米の低価格が影響することが無いようにしてほしいと訴えます。

 佐々木崇行さん「今まで農家が頑張ってきて、身を削って達成していた値段っていうのを分かってもらったうえで、希望としては5キロ3500円とかで皆さんが納得していただけたらなっていうのは正直すごく思います」