墜落した機体は「ボーイング最大のヒット作」とも言われるボーイング787。日本でも多く運航する787の事故で、影響はどこまで広がるのでしょうか。

■“死亡ゼロ”ボーイング787に何が

 2007年にお披露目されたボーイング787。

川崎重工業 「一緒に祝おう!」

三菱重工業 「セレモニーへのご招待ありがとう!」

 お披露目は生産を担当した日本・アメリカ・イタリアの企業が生中継に出演する盛大なものでした。

 ここまで注目されたのには理由があります。

 機体にカーボン素材を採用したことで軽量化に成功し、燃費が約2割向上したことで注目を集めました。

 今では世界で1175機以上が運航され、一日に2100便が飛行する、「ボーイング最大のヒット作」と言われています。

 国交省によると、日本では同系列型機をANAグループで88機、日本航空で45機、ZIPAIRで8機所有しています。

 それだけに影響が大きい今回の事故…。

元日本航空機長 SRC研究所 塚原利夫氏 「パイロットから人気のある飛行機」 「(Q.影響は?)大きいですね」

 日本への影響も出てくるのか、専門家、そして元整備士に聞きました。

■“大ヒット飛行機”各国への影響は?

 これまで死亡事故がなく、安全性がウリだったボーイング787。ANAホールディングスは今年2月にボーイング787を含む航空機77機について新規発注を決定したばかりです。

 世界で1000機以上使用されている大ヒットの飛行機、各国への影響は…。

元日本航空機長 SRC研究所 塚原利夫氏 「米国から何らかの指示が出た時は、全世界のボーイング787が飛ばなくなる可能性がある。その機体を使っている会社は、運航できなくなる。当然、乗客に大変な迷惑を掛ける」

 現在のところ、アメリカ政府は運航停止につながる安全上のデータは確認されていないとしています。

 また、元JALのエンジン整備工場の整備士の杉本好夫さんによりますと、一般的に同じボーイング787の機体であっても航空会社によって異なるエンジンを載せている場合があり、たとえ今回のインド機の事故原因がエンジンであったとしても、すべてのボーイング787に一概に問題があるとは言えない」といいます。

 今回の事故を受け、国交省は航空会社3社に普段行っているエンジンと機体などの点検を確実に実施するように指示をしたということです。

 これを受け、JALグループは「日常点検をさらに徹底していく」「製造会社からの情報収集につとめる」、また、ANAは「日々の出発前点検などを含め既存の整備点検プログラムにて機体の健全性を確認しており、安全の確保して運航している」としています。