世界の核保有国が核兵器を増強し、また、AI(人工知能)などの技術の急速な発展による誤解や技術的事故によって核紛争の脅威が高まっていると研究機関が発表しました。
スウェーデンの「SIPRI(ストックホルム国際平和研究所)」は16日、世界の軍事情勢に関する年次報告書を発表しました。
今年1月時点での世界の核弾頭の保有数は推定1万2241発で、約9614発が使用可能だとしています。
また、3912発はミサイルや航空機に配備され、そのうち約2100発は弾道ミサイルに搭載されています。
国別ではロシアが5459発で最も多く、次いでアメリカが5177発で、ロシアとアメリカだけで世界全体の9割近くを占めています。
また、中国は約600発の核弾頭を保有し、2023年以降、毎年約100発ずつ増加していて、他のどの国よりも速いペースで増やしているとしています。
北朝鮮は約50発で、さらに最大40発の核弾頭を製造できる核物質を保有しているとしています。
報告書では「冷戦終結以来、続いてきた世界の核兵器削減の時代は終わりを迎えつつある」とし、新たな脅威の時代に来ていると警鐘を鳴らしています。
また、AIなどの技術によって危機時の意思決定が迅速化されるにつれ、コミュニケーション不足、誤解、技術的事故などにより核紛争が勃発するリスクが高まっていると分析しています。