20日、野党7党が提出したガソリン暫定税率の廃止法案が衆議院で可決されました。20日が会期末最後の平日でしたが、法案は21日、参議院で審議され、異例の土曜国会が開かれます。

■与党、財源めぐり野党を批判「丸投げ」

立憲民主党 阿久津幸彦財務金融委員長 「本案は賛成多数をもって原案の通り可決すべきものと決しました」

 野党側からの万雷の拍手のなか、野党7党による「ガソリン税の暫定税率廃止法案」が20日、衆議院本会議に提出されました。

 その直後、自民党議員は強い口調で反論しました。

自民党 小寺裕雄衆院議員 「ガソリンスタンドは税率引き下げ前に仕入れた在庫を、安い価格で販売せざるを得ないため、大きな差損が生じます」

 “暫定”としながらも、およそ50年にわたって課税されてきたガソリン税。

 暫定税率をなくせば、国と地方で年間およそ1兆5000億円の減収が見込まれます。その場合の「代替財源」については。

小寺衆院議員 「国では年間約1兆円規模の恒久的な税収減となりますが、代替の恒久財源は政府に『ま・る・な・げ』。野党のガソリン法案はまさしく究極のポピュリズム法案であります」

 与党側は合わせて三度の“まるなげコール”で大反対。一方、野党側はというと。

立憲民主党 長谷川嘉一衆院議員 「自民党と公明党は昨年からガソリン暫定税率廃止を約束しておきながら、今になっても実現できないのはなぜなのでしょうか。やる気がないのか、政策実行能力がないか」

 与党の怒号が飛び交うなか、採決は野党の賛成多数で可決、参議院に送られました。

 与党側は、「成立のめどが立たない法案を提出したのはパフォーマンス」だと指摘しました。

自民党 船橋利実参院議員 「代替財源の確保の見通しはあるのでしょうか。国が行うべきことは単なるパフォーマンスではなく、経済や社会を混乱させることのない政策であると考えます。それにもかかわらず、これらの懸念を踏まえたうえで7月1日を施行日として決めた理由について伺います」

■専門家「自民党内で亀裂が入っている」

 これまで、与党側は参議院での審議入りを拒否してきましたが、一転、野党側の要求を受け入れました。

 ただ、採決したとしても参議院では与党が多数を占めていることから、法案が成立する見込みはありません。

 通る見込みがない法案が会期末ぎりぎりに参議院に送られたことで、「自民党内で亀裂が入っている」と専門家は指摘します。

政治ジャーナリスト 田崎史郎氏 「会期末ぎりぎりになって、こういう大事な法案をなんで送ってくるんだ。参院自民党が衆院自民党側に激しく怒っていて、今、参院自民党主導で物事が進んでいる。衆院側に対する怒りの方が先行して、じゃあ審議しますよって。参院は自公で過半数持っていますから否決しますと。そうしたら衆参の両院協議会になりますよね、それが日曜日、行われる可能性だってありますね」

 与野党は、土曜日の21日も審議を行う異例の日程で合意しています。

(「グッド!モーニング」2025年6月21日放送分より)