28日は、各地で真夏の暑さとなりました。梅雨明け前の関東をはじめ、35℃以上の『猛暑日』地点が続出。そんな酷暑の中、週末の観光地・鎌倉を襲ったのは、まさかの“大規模断水”。よりによって、こんな日に。(6月28日OA「サタデーステーション」)

■東京「真夏日」6月観測史上最多 マラソンは夜開催で新対策も

報告・朝倉有香ディレクター 「午後8時前の都内です。日中の暑さが残っているんですが、みなさん汗をかきながら、一生懸命に走っています」

28日の夜、都内で行われていたのは“ナイトマラソン”。6年前から夏に開催されている人気のイベントで、28日も500人の参加枠が全て埋まりました。

東京豊洲ナイトマラソン イベントディレクター 藤田育明さん 「『ナイトマラソン』にしたところ、参加しやすい方が多かったのと、朝よりも夜の方が気温が上がらないので、ランナーにも走りやすい環境を提供できるかなと」

28日の東京都心の最高気温は33.8℃。今月11日目の「真夏日」となり、6月の観測史上最多となりました。

東京豊洲ナイトマラソン イベントディレクター 藤田育明さん 「本当に6月にしてこの気温か、って思いながら、暑さ対策を行っています」

スタートする午後6時の気温も30℃近くあった中、ランナーに好評だったのが…

スタッフ 「かぶり水あります!」

今年から新たに始めた熱中症対策「かぶり水」。スタッフがバケツの水をひしゃくですくい、希望するランナーに次々と浴びせていきます。

ランナー 「バーン!ってかけて!」

他のマラソンイベントではあまりみられない対策で、3~4割のランナーが利用すると言います。さらに、氷水に浸したスポンジも新たに用意しました。しかし…

スタッフ 「スポンジラストです!スポンジないです!」

640個が開始1時間ほどで無くなってしまいました。イベントは午後10時まで続きました。

■酷暑に加え観光地・鎌倉で大規模断水も

28日、30℃を超える暑さとなった古都・鎌倉。週末も、観光客で御覧のような賑わいを見せていますが、多くの店で、断水で飲み物の提供やトイレが使えないなどの影響が出ていました。「鳩サブレー」で知られる豊島屋も、断水の影響で、一部店舗の営業を見合わせました。

28日午前3時ごろの、鎌倉市の住宅街の様子です。住民から「水道管が破裂している」と警察に通報がありました。激しい水の流れに、重機や、土嚢を積んだ車も押し流されそうです。道路がおよそ100メートルにわたって冠水しました。

撮影した近所の住民 「12時半位にすごい音がしたので、それで2階から覗いて道路を覗いてみたらもう川のよう。 濁流」

夜が明け、見に行ってみると、道路にぽっかりと大きな穴が開いていました。この影響で一時、鶴岡八幡宮を含む広いエリアのおよそ1万戸が断水しました。近くに住む、矢野さん。奥さんと息子の3人暮らしです。

矢野さん 「一番最初は午前2時くらいにトイレに起きたら水が出てなくて」

気温が上がってきた午後2時半。

矢野さん 「濁ってる感じはするけど茶色い。朝シャワー浴びようと思ったんですけど、浴びれずにまだ汗みどろのままでいまして、それから飲食に水を使えるのがいつ頃になるのか わからないというのがありまして」

断水の影響があった店では。

甘味処鎌倉 鎌倉小町通り店の店員 「復旧した後が、やっぱり茶色いお水が出てきちゃって。そこから茶色い氷ができちゃうので、ご提供が難しかった」

断水は解消されましたが、冷たい飲み物の提供が出来ず、売り上げは半分ほどに落ち込んだと言います。県によると、水道管は61年前に設置されたもので、つなぎ目を留めていたボルトが腐食し外れたのが原因だといいます。各地でも断水が解消に向かっているとのことです。

■「初夏の風物詩」に異変 異例の早さでの梅雨明け

27日、異例の早さでの梅雨明けとなった西日本。梅雨前線は太平洋上にそれていき、列島の上空には、太平洋高気圧が覆い、各地で厳しい暑さとなっています。最高気温34.0℃と真夏日となった京都市では、「初夏の風物詩」に“異変”が起きていました。

報告・手塚慶二朗ディレクター 「ランチタイムの時間ですが、あちらのお店の川床にはお客さんの姿見えませんね」

「いしがま亭」代表 小野塚大治さん 「かなり減ってる、特に昼の時間帯がガクッと減っている。例年より2週間ぐらい暑くなるのが早いですね。川床は暑さ対策難しい」

観光名所の嵐山では「涼」を求め、ジェラート店には長蛇の列が。

ジェラート店・従業員 「通常だったら閑散期ですけどお客さん沢山来てくれていますね」

■全国半数を超える地点が真夏日 東京・八王子や府中は猛暑日

全国の半数以上の地点で30℃を超える真夏日となっています。全国19の地点が猛暑日となり、その中には東京・八王子市や府中市も名を連ねています。東京消防庁によりますと、熱中症とみられる症状で搬送された人は15人となっています。

■酷暑で練習場の“朝夕枠”が取り合いに?少年野球も変化

そして、熱中症は、プロ野球の世界でも珍しくなくなっています。27日、西武のエース・今井達也投手(27)が4回途中に座り込み、緊急降板。その後、病院へ向かい、熱中症と診断されました。

報告・藤澤愛ディレクター 「保護者の方が一人一人、子どもにミストをかけて、体を冷やしています」

子どものスポーツ現場でも、大胆な変化を余儀なくされていました。神奈川県厚木市で活動する小学生の野球チームは、以前は長ズボンのユニホーム姿で練習していましたが、年から夏の練習着を見直し。ハーフパンツや白い帽子、サングラスを使用可能にしました。

長谷スポーツ少年団 嶋田博之監督 「今までの古い考え方を続けていると、子ども達に負担がかかる」

28日の最高気温(海老名)は34.9℃。白い帽子を被った生徒は…

小学3年生 「いつものやつよりは涼しい」

実際にサーモカメラで帽子の温度を比べてみると…

報告・藤澤愛ディレクター 「白い帽子の方が温度の低さを表す青色が広く表示されています」

わずか5分で、5℃近い差が出ました。県大会準優勝の実績もあるこのチーム。喫緊の課題は、夏の練習時間の確保です。全日本軟式野球連盟は、特に7月8月、各チームの活動時間を朝や夕方を中心に3時間以内にするよう呼びかけており、このチームも準拠しようとしていますが…

長谷スポーツ少年団 嶋田博之監督 「(朝と夕の)グラウンドが取れていないので。早朝野球で大人が使っていることが多い。野球だけじゃなくてソフトボール、サッカー、大人も子供も、いろんな団体が一つの所に集まってきますので、なかなか難しい部分はある」

さらに全日本軟式野球連盟は、気温や湿度から算出される「暑さ指数」が31を超えたら、試合は原則中止としています。しかし、このチームの練習拠点の周辺では、去年8月、この基準を超えた日が、なんと、28日間もありました。そして、今年の夏も気温が40℃前後に達する酷暑になるとの予報が出ています。

長谷スポーツ少年団 嶋田博之監督 「もう数年後には(試合は)無理じゃないかなと考えています。冬場の練習、対外試合禁止という期間があるので、それはなくして、夏を対外試合禁止にしていただけると安心していろんなことに取り組める」