7人の候補者が乱立した今回の参院選宮城選挙区。石垣のりこさんの再選の勝因はなんだったのか、選挙戦を振り返ります。
当選した石垣氏「市民と野党の共闘で6年前にいただいた議席を、こうしてまた2期目へとつなげることができました。本当にみなさんのおかげです。誠にありがとうございました」
石垣さんは6年前。野党の統一候補として自民党の現職破り初当選。
今回は現職としての知名度を生かし有利な選挙戦を進めました。
石垣さんの議席を守るため、立憲民主党は野田代表や辻元清美代表代行ら党幹部を次々と宮城に投入。手厚くバックアップしました。
選挙中には市民団体を通じて共闘する共産党の田村智子委員長も駆けつけ、支援を訴えました。
共産党田村智子委員長「この宮城の選挙区で、石垣のりこさんの議席自民党に奪われるわけには絶対にいかない」
石垣さんがスローガンに掲げたのは「人権ファースト」。立場の弱い人たちの力になる政治の実現を訴えました。
立憲民主党県連は21日、青葉区で役員会を開き、参院選を総括しました。
一方、自民党の石川さんは「組織力」を前面に出しましたが、7万票あまりの大差で石垣さんに敗れました。
石川氏「逆風の中での選挙というのはある程度覚悟して臨んでいるところでもあります。それが届かなかったというのはまだまだ力足らずという、その一言に尽きるのかなというふうには思っています」
「逆風」と表現したのは、「政治とカネ」の問題から続く、物価高への対応など政権与党への厳しい風当たりです。
石川さんは2024年10月の衆院選で立憲民主党に大敗した悪い流れを変えようと、自民党と公明党の組織の立て直しを図ろうとしました。
選挙中は石破総理が2度も宮城入りするなどてこ入れをしました。
ただ、石川さんは県全体での知名度が低く最後まで苦戦が続きました。
桜井充参院議員「やはり一番の問題は何だったのかというと、不記載の問題の時に結局は誰も責任を取らなかった。誰かがきちんとした責任を取っていたら、こういうことになってないんじゃないか」
有権者の実際の投票行動はどうだったのか、出口調査の支持政党別の投票先を見ていきます。
石垣さんは立憲民主党の支持層の9割以上を固め、共産党支持層の7割以上に支持されました。リベラル勢力の結集に成功しました。
一方の石川さんは自民党支持層の7割ほどをまとめるにとどまり、公明党支持層は6割を下回りました。組織が一枚岩になったとは言えない結果でした。
さらに選挙結果を左右する特に支持政党のない「無党派層」を見ると、石垣さんは4割近くの支持を受け、ほかの候補を圧倒しました。
石川さんは参政党のローレンス綾子さんにも及びませんでした。
参政党は外国人問題など保守的な公約を掲げたので、自民寄りだった層が分散し、参政党が取り込んだ可能性がうかがえます。