宮城県を含む広い範囲に出されていた津波注意報は、31日午後4時30分に全て解除されました。各地に影響をもたらした津波の影響です。

 仙台駅では30日、津波警報の影響でほとんどの在来線が終日運転を見合わせましたが、31日は一部運休はあったものの始発からほぼ平常通りの運転となりました。

 「みんな困惑していたので自分もパニックになっちゃって、しばらく何もできませんでした。いつも普通に電車に乗れているありがたみが分かりました」「津波といっても電車に影響が及ぶと思っていなかったものですから、ちょっとびっくりしました」

 30日、ロシアのカムチャツカ半島付近を震源とするマグニチュード8.7の地震によって、宮城県を始め全国の広い地域に津波警報が出されました。

 鈴木奏斗アナウンサー「女川湾で取材中だったんですが、津波注意報が発表されたという防災無線が鳴りました。取材を切り上げて高台に向かっているところです」

 新たな県民会館の起工式では。

 村井知事「芸術や人と触れ合い開かれた文化交流空間を…(スマホが鳴り響く)」

 気象庁会見「津波警報を発表しておりますので、沿岸や川沿いにいる人はすぐに高い所に避難してください」

 30日午前9時40に気象庁は、津波注意報を津波警報に切り替えました。

 須田義一カメラマン「石巻市日和山では、高台へと避難する車の列ができています」

 津波から逃れようと、高台には多くの人が集まりました。

 「まさかこっちまで津波が来るのではないかと恐怖心がありました」「とりあえず高台にと思って来ました。来るまでに1時間くらいかかったので車だったんですけど、こんなに混むんだと」

 深川和彦ディレクター「警報を受けて、子どもたちが続々と避難して来ています」

 塩釜市の避難所には、住民のほか近くの保育園の園児たちも身を寄せました。

 気仙沼市民「注意報が出た時点でうちの会社は避難すると決めているので、全員で避難しました。震災の時を思い出すような感じ」

 宮城県は特別警戒本部を立ち上げ、情報収集に当たりました。

 JR仙台駅では。

 「先程津波警報が発令されたことにより、仙山線以外の全ての線区において運転を見合わせます」

 利用客「しょうがないから仙台で時間をつぶして、様子を見るしかないかなという感じです」「怖いですよね、どうしても前のことを思い出しちゃいますよね」

 上野比呂企アナウンサー「気仙沼湾上空です。海面よく見てみますと津波でしょうか、何十本の線が次々と陸の方に押し寄せて来ているのが見えます」

 宮城県では仙台港90センチ、石巻港70センチ、石巻市鮎川50センチなど各地で津波が観測されました。

 30日夕方、仙台駅のタクシー乗り場には帰宅できない人の長い列ができていました。 「30日中に長野に帰れないということが分かったので。分かっていれば地下鉄とか電車とか選択もあるんでしょうけど、タクシー頼りなので」「札幌から飛行機で来ました。帰れないのがまず一番怖いですね」

 30日夜、気仙沼市の避難所では人込みを避けようと車中泊する人の姿もありました。 「この状態だから仮眠を取りながら」

 一夜明けた31日朝、仙台港沖には名古屋と苫小牧を結ぶ2隻のフェリーが安全確保ができないとして入港できず、沖合で待機していました。

 2隻には乗客計570人余りが乗っていましたが、運行会社などによりますと体調不良者などの情報は入っていないということです。午後に乗客の負担を考慮して、宮城県は特別に入港を許可し、2隻は仙台港に接岸しました。