価格高騰など米をめぐる環境が大きく変わっています。米ビジネスに参入している仙台市のアイリスオーヤマに聞きました。
アイリスオーヤマは、東日本大震災で被害を受けた農業の復興に貢献しようと、2013年に精米事業に参入しました。
注力したパックごはんがヒットし、米ビジネスが軌道に乗りました。そして、政府備蓄米の販売で存在感を示しました。
大山晃弘社長「安いお米を皆様にお届けできるのかなということで、社会貢献もできるのかなと」
1万トンを引き受けた政府備蓄米は、系列のホームセンターなどで販売され8月に完売しました。
アイリスオーヤマの米ビジネスの責任者である、食品事業統括部の佐々木雅人部長に聞きました。
佐々木雅人事業部長「最初に手を挙げたのが1万トンだったが正直、疑心暗鬼だった。やってみたら想定以上に反響が大きかったなと。非常に手応えがあった」
9月から店頭に並ぶようになった2025年産の新米価格は、5キロで5000円を超えるものもあり高止まりしたままです。
佐々木事業部長は、価格が大きく下がることはないと見ています。
佐々木雅人事業部長「やはり訪日客も非常に増えていまして、その方々がご飯を食べる機会も非常に多いところがあって。まだまだ市場に対して、満足いく供給量にはなっていない」
「新しい競合という表現が良いのか分からないが直接、農家にアプローチをかける方々、個人投資家も含めてなんですけど多く出てきているのが現実」
政府は、米の自給率の安定化のために輸出の拡大を目指しています。
アイリスオーヤマでもパックごはんをアメリカや台湾に輸出しています。アメリカの大手通販サイトでは、2024年比で数百%の売り上げ増となるなど絶好調ということです。
佐々木雅人事業部長「訪日される方も非常に増えていますので、日本で食べたお米をもう一度レンジでチンするだけで食べられるところに非常に好感触があります。輸出はビジネスチャンスとしてまだまだあるかなと考えています」
日本の米農業は後継者不足など大きな課題を抱えていますが、ビジネス面での将来性についてどう見ているのでしょうか。
佐々木雅人事業部長「米事業全体では将来性があると思っています。パックごはんに関しては自宅で簡便にすぐにできたりとか1年間という保存が利くので、何かあった時の非常食として今後も成長していくと思います」