■高市政権発足へ 予想の顔ぶれ

 21日、新たな総理大臣に選出された高市早苗氏。日本の憲政史上、初めての女性総理がどのような閣僚人事を敢行するのか。まず、注目されたのは…。

新総理に選ばれた高市早苗氏 「一緒に総裁選挙を戦った4人の候補者の皆様、全員、もちろん活躍をしていただきます」

 この言葉通り、先の総裁選でのライバルが入閣。

農水大臣を退任 小泉進次郎氏(44) 「本日をもって農林水産大臣を退任することとなりますが、この濃密な5カ月の経験を糧に、今後とも国政の発展、農政の発展に努めて参ります」

 決選投票で高市氏に敗れた小泉進次郎氏。今回、防衛大臣に起用されます。地元は米軍基地もある横須賀ですが、これまで防衛省で政務官や副大臣を務めた経験はありません。

 来週にもアメリカ・トランプ大統領の訪日が調整されるなか、防衛力強化などへの対応が早速、問われることになります。

 決選投票で高市氏支持に回ったとされる茂木敏充氏は2度目の外務大臣に起用され…。

 そして、高市氏による閣僚人事、女性が何人登用されるかにも注目が集まっていました。

 これまでは、2001年の小泉内閣や高市氏が総務大臣に任命された2014年の第2次安倍改造内閣、高市氏が経済安保担当大臣に就いた2023年第2次岸田・再改造内閣の女性閣僚5人が最多でした。

新総理に選ばれた高市早苗氏(64) 「能力のある方、国家国民のため、喜んで働こうという方々を、いままでよりはるかに多く女性からも選んで活躍していただく」

 女性の登用に意欲を見せていた高市氏ですが、最多更新はあるのでしょうか…。

 起用が固まっているのは、財務大臣に片山さつき氏。

財務大臣に内定 片山さつき氏 「お金の流れを巡っては個人も団体も必死になる。それを調整するのは腕力がいる。腕力はあると思います」

 2005年、いわゆる“小泉チルドレン”として初当選した片山氏。これまでに衆議院で1回、参議院で2回の当選を重ね、過去には地方創生担当大臣も務めました。

 学生時代にはファッション誌のモデルとして活躍し、その後、旧大蔵省に入省。国家予算の策定などに関わり、出世コースともいわれる「主計官」を女性として初めて務めました。

財務大臣に内定 片山さつき氏 「米国との間のFMS(有償援助)も真剣にこちらの財政事情を訴えて…、言い値が許される状況じゃない」

 主計官だった片山氏に密着した映像。日付が変わっても仕事を続け…。

財務大臣に内定 片山さつき氏 「あしたは朝、与党合同会議、9時から。議員会館で、寝る暇ないです。ちょっと買い物して帰ります」

 買い物も深夜にしていました。

財務大臣に内定 片山さつき氏 「(Q.何を買った?)朝食べる果物とか、冷蔵庫に在庫がないもの。ヨーグルトとか」

 当時から、働いて、働いて、働いていたようです。

 片山氏は、高市氏と同じ「積極財政派」としても知られていて、今回の総裁選では高市氏を支援していました。

財務大臣に内定 片山さつき氏 「世界的に今、保守回帰の政治の流れのなかで、結党の精神に立ち戻ってということを言っている総裁なので、高市総裁のもとで党を再生させ、自民党で勝てる党にするしかない」

 「挙党体制」を掲げる高市氏。21日朝、総辞職した石破内閣からも…。

 重要閣僚の一つ、経済産業大臣には赤沢亮正氏。石破内閣で経済再生担当大臣を務め、日米関税交渉の担当者としてもアメリカ側と協議を続けてきました。

経産大臣に内定 赤沢亮正氏(64) 「日米関税交渉など、我が国の将来にとって意味のある政策の道筋を作ることができたし、一定の成果をあげることができた。それを次の政権にも引き継いでほしいという思いは(石破)総理と共鳴をしており、共通するものである」

 経産大臣として引き続き、関税協議を担うことになるのでしょうか…。

 そのほか…。

防衛大臣に内定 小泉進次郎氏 「新たな大臣のもとで大臣らしさを発揮して、この有事の対応を乗り越えた農水省の職員の力を持ってすれば、必ず最終的な米価の安定と安定供給につなげていけると思っている」

 復興副大臣や農水副大臣を務めてきた鈴木憲和氏を小泉進次郎氏の後任として農林水産大臣に起用。

 経産副大臣などを歴任した松本洋平氏、当選6回で77歳のベテラン・平口洋氏、国交副大臣などを務めてきた牧野京夫氏が初入閣する方向です。

 内閣のナンバー2・官房長官には前防衛大臣の木原稔氏が充てられます。

新総理に選ばれた高市早苗氏 「異次元の柔軟性をもって、それでも国家国民のためになることであれば、しっかりと前に進めていく。力を合わせて、今、なんとなく世の中に広がってしまっている不安を希望に変えていこうじゃありませんか」