与野党が年内に廃止することで合意したガソリンの暫定税率で、現場では早くも変化が起き始めていました。

■“高値で仕入れ”どうする

 2日、都内のガソリンスタンドを訪ねると、年内のガソリン減税に期待する声が多く聞かれました。

給油に来た人(60代) 「いいよね。安くなるってことはね。ガソリンが高いので、旅行も抑えていたけど。少し税率が下がれば、旅行に行く回数も増えていく」

給油に来た人(30代) 「(ガソリンが)安くなるならありがたい」

高市早苗総理大臣 「ガソリン税の暫定税率については各党間の議論を踏まえ、今国会での廃止法案の成立を期します」(先月31日)

 この数カ月、1リットルあたり175円近辺で推移しているレギュラーガソリンの全国平均価格。ここには政府の補助金が10円入っています。

 政府は11月13日から、2週間ごとに補助金を5円ずつ増やしていき、12月11日には暫定税率と同じ25.1円に。そこから3週間後の12月31日に暫定税率を廃止する予定です。

 利用者にとっては、年末にかけて少しずつガソリンが安くなる可能性があります。そのため、すでに“買い控え”の動きも始まっていました。

給油に来た人(50代) 「安くなった時に入れたいなと。小分けで、また安くなった時に入れようかなと」

 では、本当に来週以降、ガソリン価格は安くなるのでしょうか?

田中商事 三枝直樹店長 「5円ずつ上げて、補助金を25.1円にすることは確かですけど、価格が下がるかどうかは別問題」

 補助金が増えた分だけ店頭価格が下がるのは、仕入れコストが一定の場合です。実際には、原油価格や為替の動きによって仕入れ値は毎週のように変動しています。

「今週も(仕入れ価格が)3円上がっている。(店頭価格が)下がらないからって、別にガソリンスタンドが懐に入れてるわけでもない」

 仕入れのタイミングも重要です。補助金が5円増える今月13日以降は、その分だけコストが下がる可能性があります。

 一方で、12日以前に仕入れたガソリンは補助金が少ないままのため、在庫がなくなるまでは価格を下げられないといいます。

「(先々)安くなることを見越して(客が)来なくなったりする。地下タンクの在庫がはけてなかったら(安いガソリンは)入らない。損ですし、すぐ(価格を)下げられない」

(「グッド!モーニング」2025年11月3日放送分より)