事件から26年間、どのような生活をしていたのでしょうか。名古屋市の主婦殺害事件で逮捕された女が新たな供述です。

■26年間「毎日不安だった」

高羽奈美子さんの夫 悟さん(69) 「自分の関係者だとは絶対思っていなかったので、ちょっと意外で、うちの妻を殺すほど私はあなたに悪いことをしましたかと聞きたい」

 1日の現場検証でANNのカメラが捉えた安福久美子容疑者(69)の姿です。逮捕されるまでの26年間について、こう供述していることが分かりました。

安福久美子容疑者 「毎日不安でした。事件について報道も見られませんでした。事件発生日になると、悩んで気持ちも落ち込んで沈みました。家族や親族がいるので迷惑を掛けられないし、捕まるのは嫌でした。警察が8月に来たので捕まってしまうのを覚悟しました」

 26年前の1999年11月、名古屋市の主婦・高羽奈美子さんが刃物で刺されて殺害された事件。安福容疑者は奈美子さんに対して「申し訳ないと思っている」と謝罪の言葉を口にしているということです。

■被害者の夫 いまの思いは?

 2日、殺人の疑いで送検された安福容疑者は、奈美子さんの夫・悟さんの高校時代の同級生で、部活動も一緒。3日、地元・名古屋テレビに出演した悟さんは…。

高羽奈美子さんの夫 悟さん 「私の印象はすごくおとなしい感じ。どちらかというと暗い感じ。今でも人を刺せるなんてことは想像できない」

 高校時代、安福容疑者からバレンタインデーにチョコや手紙をもらったことがあるという悟さん。最後に会ったのは事件発生5カ月前、部活のOB・OG会でした。

高羽奈美子さんの夫 悟さん 「『結婚して頑張っている』という感じ。高校時代と雰囲気が変わったなと。元気になって良かったなという印象。本当に今でも信じられない」

 悟さんへの何らかの感情が事件と関係があるのか。

 一方、安福容疑者と奈美子さんは面識がなかったとみられます。

 事件後26年間、借り続けたアパートの部屋。「犯人が捕まった時の現場検証のために残しておきたい」、それが総額2200万円を超える家賃を払い続けてでも現場を保存してきた理由でした。

 今月1日の現場検証には悟さんも同行しました。

高羽奈美子さんの夫 悟さん 「希望がかなったというか、このために頑張って家賃を払ってきたので。知人が一緒にお酒を飲んで祝ってくれたので、本当に皆に優しくしてもらってありがたい。自分が泣いている場合じゃない。しっかりしないと」 「(Q.安福容疑者の顔を見ることは?)できなかった。ブルーシートで囲われていたので。どんなふうに年を取ったのかなとか、全然見られなかった」 「私は妻を殺されるほど酷いことをあなたにしましたかと言いたい」

 動機を知りたいと話す悟さん。警察は事件に至った経緯などを調べています。