ガソリンが11日からさらに5円ほど安くなり、その恩恵が意外な業種に及んでいます。今後、家計の負担も抑えられるかもしれません。

■きょう、さらにガソリン価格↓

 都内のガソリンスタンドは喜びの声で溢れていました。

70代の人 「助かります、安くて。ありがたい」 50代の人 「安くなっています。このままずっと続いてほしい」

 11日からガソリンの補助金がさらに5円引き上げられて早速、値下げが行われました。

 東京・世田谷区にあるガソリンスタンドでは「154円」だったレギュラーガソリンが「150円」まで値下げ。これまでよりもさらに4円安くなりました。

50代の人 「(Q.最近の価格はどうですか?)だいぶ安くなりました。月に2、3万円は変わってきている。1回で1000円くらいは安くなっている」

 先月から政府が支給している補助金が11日から最大の1リットル25.1円に増額。これで年明けの暫定税率廃止後と同水準の値段になりました。

シンエネ八幡山SS 佐藤大所長 「仕事とかでもガソリンが高いから違う交通機関に変えていた人も、また車(の利用)に戻っていただいて、世の中が少し景気が良くなるといい」

 値下げの波は全国でも…。

 雪が降る北海道でも早朝に価格を変更。

給油した人 「車に乗る・ガソリンを入れる回数が多く、支出が下がるのはうれしい」 「(Q.5円値下げは大きい?)かなり大きいと思います」

 広島県でも150円台になりました。

給油に来た人 「一時期200円くらいまでレギュラーがいきそうだった。150円くらいで値段が止まってほしい」

 今月8日の時点でレギュラーガソリンの価格は1リットルあたり163.7円、4年2カ月ぶりの安値水準になっています。

 中華料理を提供しているキッチンカーもガソリン値下げの恩恵を感じていました。

中国家庭料理 蓮REN 久保元樹さん 「最大25円まで安くなると相当、変わってくる」

 この店は3台のキッチンカーを経営しているため、1カ月約250リットルのガソリンを使っているそう。

中国家庭料理 蓮REN 久保元樹さん 「食材費が上がり続けている。ガソリンだけでも下がるとありがたい」

 今、物価高によりすべてのものが高騰している状況。

 帝国データバンクによりますと、今年の食品値上げは2万609品目で、去年の約1.6倍になる見込みです。

■意外な業種にも恩恵が

 そんななか、意外な場所でもガソリン値下げに歓喜の声が上がっていました。クリーニング店です。

小林ランドリー工場 小林史明代表 「ガソリンはほぼ毎日、使っている。本当に安くなってもらうには助かります」

 一体なぜ、クリーニング店が毎日ガソリンを使うのでしょうか。

小林ランドリー工場 小林史明代表 「一日平均して約30から40キロメートル、配達で車を運転している」

 こちらでは毎日、無料で配送サービスを実施。そのガソリン代が重くのしかかっていました。

小林ランドリー工場 小林史明代表 「10円でも20円でも安くなるとコストが下がるのでありがたい」

 この店では今年1月に5%から10%ほど値上げせざるを得ない状況に。それでも経営はぎりぎり、物価高騰の影響を大きく受けていました。

小林ランドリー工場 小林史明代表 「ドライクリーニングで使う溶剤、18Lで一斗缶で買う。25年前くらいは1本約3000円で買えた。今、6000円なんで倍です」

 クリーニングでは欠かせない洗剤などの消耗品が軒並み高騰。

 さらに、クリーニング後に被せる衣装カバーも4年前と比べて1000円ほど値上がりしています。

小林ランドリー工場 小林瑠美さん 「これは代表的な例で、ハンガーも溶剤もクリーニング業にまつわる材料・資材すべて上がっている」

 さらなる値上げも考えざるを得ない状況で、今回のガソリンの値下げが経営の安定につながるといいます。

小林ランドリー工場 小林史明代表 「今のところは何とかこのまま、据え置きで頑張ろうと思う」