石油の供給不足に備えるため、26日から国家備蓄の放出が始まりました。これによりガソリン価格など私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか。

■きょうから放出 効果は?

 職員が指差し、原油の放出を指示します。26日から始まった国家石油備蓄基地からの原油の放出。

 その時間、愛媛県今治市にある石油基地を空から見ても、タンクがずらりと並んでいますが何も分かりません。

 国家備蓄の原油があるのは森の下、地下です。張り巡らされたパイプラインを通じ、隣接する石油元売り企業の太陽石油に送られます。これが放出です。

 菊間基地は水封式地下岩盤タンク方式が採用されていて、地下の水圧などにより貯蔵原油を封じ込め、隣接する製油所にパイプラインを通じて送ります。

 作られたのは1990年代です。地下には硬い花崗岩の岩盤を削って作られた空洞が広がります。高さは30メートル、10階建てのビルがすっぽり入ってしまいます。ここに150万キロリットルの原油が貯蔵可能です。

 今回、放出の対象になっていませんが、岩手県久慈市にも同じ方式の基地があり、安全性は高いといいます。

桃山学院大学 小嶌正稔教授 「安全性が高い。東日本大震災の時でも地下岩盤タンクは影響を受けなかった」

 石油備蓄基地といっても、色んな方式があります。一般的なのは地上タンク方式。苫小牧の基地は世界最大級で、タンク1つに大型旅客機が入るほどの大きさ。また、27日から備蓄が放出される白島基地は、福岡・北九州市沖に浮かぶ洋上タンクです。

小嶌正稔教授 「大きなプールが浮かんでいる」

 どれぐらいの期間、保管できるのでしょうか。

小嶌正稔教授 「長く留めておくと泥のような原油がたまる。何年かに1回は入れ替えなければいけない。新しいものを入れるために売り渡す、そして新しいものを入れる繰り返し」

■備蓄放出 暮らしに影響も

 では今回の放出でガソリン価格に影響はあるのでしょうか。政府はガソリン価格を全国平均170円程度に抑えるため、26日から石油元売り各社に対して支給する補助金の額を48円1銭と過去最高額にしました。

小嶌正稔教授 「政府が激変緩和措置で全国平均で170円程度にすると言っています。ですから原油が上がろうと下がろうと、170円程度まで元売りに対して払う補助金を上げたり下げたりすることによって、消費者にとってみれば170円程度に収まるという仕組みになっています」

 ガソリン価格は政府が目指す170円程度で変わらないといいます。では放出によってどんな効果が出てくるのでしょうか。

小嶌正稔教授 「例えば化学製品の原材料になるようなナフサ、輸入が途絶した場合には新たに作るために原油を放出することによって、その原油を使って製品を作るということになっていきますので、そういう意味での効果があります」

 太陽石油は割り当てられた39万キロリットルの原油を順次受け入れる予定で、今後、原油を精製しガソリンなどの石油製品にしていくとしています。