市街地へ出没が相次ぐクマの捕獲を担うハンターの需要が高まる中、希望者が増えています。どのような人が何を思い、危険と隣り合わせのハンターを目指すのでしょうか。
「現在、周辺でクマが目撃されています。外出する際は十分お気を付けください」
4月、仙台市青葉区の中心市街地に体長約1.5メートルのクマが居座り、住民に不安が広がりました。宮城県によりますと、6月のクマの目撃件数は300件を超え過去最多を更新しました。
宮城県が4月から出しているクマ出没警報は2度延長され、解除されていません。
宮城県クマ対策会議「4月からクマの出没が相次ぐ中、一刻も早い捕獲が必要と判断しまして、早ければ7月中にも捕獲を開始できる見通しとなっております」
出没増加を受けて、宮城県は2026年度から方針を転換します。被害が出てから捕獲する有害捕獲とは別に、クマの個体数を計画的に減らしていく捕獲事業について2025年度は4頭でしたが、2026年度は大幅に増やし390頭を目標としました。
そこで、捕獲の最前線に立つハンターの育成がますます重要となります。
6月に始まった2026年度新人ハンター養成講座の開講式は、宮城県猟友会が運営を担う県営のクレー射撃場で行われました。
宮城県猟友会遠藤哲朗副会長「クマです、朝から晩までクマ、これが現在の状況です。テレビの画面に映っている方々をパッと見ますと、若い方はおりません。若い人の力がやっぱり絶対必要だと思います」
クマの捕獲や駆除は猟友会に所属するハンターが担いますが、2025年度の宮城県の会員数は1853人とピークだった1978年度の8755人から大幅に減少しています。高齢化も進んでいて、若い世代のハンターを増やすことが宮城県と猟友会共通の願いです。
養成講座は、ハンターになりたいという人を対象に宮城県が2013年度から毎年開催しています。
宮城県の担当者「注目度が高いこともあってか100名近い応募がございまして、その中から総勢40名の皆様に受講をいただくこととなりました」
応募は例年40人前後だったところが、今回は何と約100人から希望が寄せられました。講座は11月まで6回開催される予定で、ハンターになるために必要な狩猟免許の取得方法などを主に猟友会のメンバーが解説します。
狩猟免許の中でも、クマの捕獲に使うライフル銃や散弾銃を扱うためには第1種銃猟免許の取得が必要です。この日は講習用の模造銃を使って、初心者が銃を選ぶ際の注意点が解説されました。
宮城県猟友会の講師「皆さんが買うのであれば上下二連。上下に2本筒があります。こういうオーソドックスな銃。射撃でも狩猟でもどっちでも使える」
ハンターは、銃を携え時にはクマと対峙する危険な仕事でもあります。全員がクマの捕獲に携わるわけではないとはいえ、なぜ参加を希望したのでしょうか。
会社員「クマのこととかニュースでやっていますし、ハンターの方々が高齢ということもあったので、本当にその通りであれば地域貢献で少しでもやれたらなと思って」
公務員「職場の周りや祖父母の家でも出ていると聞いて自分も目撃、遭遇したことがありますので、自分も役に立てたらなと思って来ています」
この春に就職で仙台市に移ってきた新社会人の海老澤明歩さんは、今回の受講者で最年少の22歳です。
海老澤明歩さん「狩猟の仲間というか全然知らない人ばかりで、まずは人脈作りということから来ました。猟師さんを見てきて、かっこいいなと思ったことが一番大きかったと思います」
茨城県出身の海老澤さんは大学時代、自然環境を調査する会社のアルバイトでハンターの仕事を手伝いました。主な役割は、毎朝山に入りシカやイノシシがわなに掛かっていないかの見回りでした。
既にわな猟の狩猟免許は持っていて、8月の試験に合格して銃を扱えるようになりたいと話します。
海老澤明歩さん「実際ニュースを見て大変なんだろうなと。猟師さんたちも頑張っているので、自分もちょっとでも力になれたらいいなとは思っています」
実家が酪農を営む海老澤さんは、自身も将来何らかの第1次産業の経営に携わることが目標でハンターの経験も生かしたいといいます。
海老澤明歩さん「将来的には第1次産業系に行きたいので、農業被害から守っていきたいなと」