浜岡原発のデータ不正問題を受け、中部電力は会長と社長の辞任を発表しました。会見では「独自の正当化理論が存在していた」と謝罪しました。

■中電「独自の正当化理論」謝罪

辞任を表明 中部電力 林欣吾社長(65) 「経営責任を明らかにするため、今月末をもって辞任することにしました」

辞任を表明 中部電力 勝野哲会長(72) 「私自身も経営責任を明確にするため、会長職を辞任することといたしました」

 中部地域でトップクラスの存在感と影響力を持つ中部電力で、林欣吾社長と勝野哲会長の経営トップらが辞任の意向を示しました。

林欣吾社長 「調査委員会の報告書では、関係規則等を順守する意識の低下にとどまらず、不適切行為を確信や信念を持って実行するという状況が認められ、独自の正当化理論が存在していた」

 浜岡原発のデータ不正問題を巡り、調査委員会が提出した250ページに及ぶ報告書。そこから見えてきたのは、浜岡原発早期再稼働に向けた、企業「独自」の理論です。

「調査報告書」から 「本調査を進めるなかで、浜岡原子力発電所の再稼働の支障となり得る行為は認めるべきでないこと等の、自分たちの行為を正当化する発言や中部電力内でのやり取りが随所に見受けられた。『独自の合理性』や『独自の正義感』により、各不適切行為を確信、ひいては信念すら持って実行していたと見受けられる」

林欣吾社長 「経営そのものが法令やルールよりも当社社内の論理を優先する考え方を是正できず、コンプライアンスを最優先とする組織風土を構築できなかったことが1つの要因だと考えており、深く反省しております」

 「独自」の理論を貫いた結果が、想定される地震予測データの不正。複数の揺れの平均値ではなく、意図的に1つのデータを選び、平均であるかのように扱ったものでした。

 報告書は、経営陣が不正に直接関与したとは認定しなかった一方で、見通しが「まるっきり違う」「努力が足りない」などとスケジュールの遅れを批判・叱責する発言をし、プレッシャーを与えていたと記されています。

林欣吾社長 「経営として目標値、スケジュール、マイルストーンを決めて着実に進めていきたいという強い思いもあった。話し方も目標について厳しいトーンになってしまったのではないか」

 名古屋市の人たちは…。

80代女性 「これはちょっと…名古屋恥ずかしい」

60代男性 「安全に直結する原子力を扱うんですから、具体的な改善策を示してもらわないことには信用できない」

50代男性 「中部電力の浜岡に勤務されている方は一生懸命、地元のために頑張っている方々をいっぱい知っているので、中部電力を信頼していただけに残念なところが非常にある」

■原発審査の申請取り下げ 今後は

 今回の会見では経営トップの辞任とともに、再稼働を目指していた浜岡原発3号機・4号機の審査の申請取り下げも表明しました。

林欣吾社長 「1度申請を取り下げたうえで徹底的に企業体質を見直し、生まれ変わることで再申請を目指していくことが適切であると判断」