IAEA(国際原子力機関)の会合に参加予定だったイラン原子力庁の長官が、開催国のオーストリアに入国できず引き返していたことが分かりました。一部メディアで「アメリカの圧力があった」と報じられています。
イラン外務省などによりますと、エスラミ原子力庁長官が14日から開催されるIAEAの年次総会に出席するためウィーンへ向かったものの入国できず、イランに引き返したということです。
ビザが発給されずに入国が拒否されたとみられ、一部メディアは「アメリカの圧力があった」と伝えています。
イラン外務省のバガイ報道官は「オーストリアのビザ発給拒否は正当化できない。アメリカの圧力があったとしてもホスト国としての責任は免れない」と強く非難し、オーストリアの臨時代理大使を呼び出して強く抗議したと明らかにしています。
IAEAの理事会は9日、イランがNPT(核不拡散条約)に基づく義務を果たしていないとして、国連安全保障理事会への報告を決議していました。
安保理への報告はおよそ20年ぶりとなります。
具体的にはイランが核施設への査察官の立ち入りを全面的に拒否していることや、60%まで濃縮された高濃縮ウランの保管状況などの情報提供に応じていない点を義務違反と認定しています。
一方、IAEAのイラン代表を務めるレザ・ナジャフィ氏はこの決議案を「政治的な動機に基づいている」と認めず、現在の危機を緩和する効果は全くないと主張しました。