女子大学の共学化が全国で進む中、仙台白百合女子大学も2027年度からの男女共学化を発表しています。少子化で学生の確保が課題となる中、多くの学生を呼び込むヒントになる先進的な取り組みです。
仙台市泉区本田町にある仙台白百合女子大学は創立から60年、多くの女子学生を社会に輩出してきましたが大きな変革の時を迎えています。夏に開催されたオープンキャンパスには、いつもと少し違う光景が広がっていました。
女子学生「何部入ってるんですか?」男子高校生「引退したけどバレー部」「バドミントン」
女子学生にと男子高校生が会話していました。2027年度からの男女共学化を発表した仙台白百合女子大学は、名称が仙台白百合大学へと変わります。これまでにオープンキャンパスには、計100人以上の男子高校生が参加しました。
男子高校生「幼稚園の先生になりたくて、資格を取れる場所ってなった時に白百合の学科があって共学になるっていうので。明るいっていうか、人が柔らかい感じがしてすごい雰囲気がいい、居心地がいい感じがしました」「ちょっと緊張しますよね。大丈夫かなって。楽しそうだし優しそうな先生たちなので、ここはもう第一志望です」
女子学生「女の子だけだったら女の子からの目線というか考えが多いと思うんですけど、男子が入ってきたら男子の意見もたくさん聞けて視野が広がると思います」
1966年に設立された仙台白百合女子大学は、東北で唯一の4年制カトリック大学として1人1人の学生に寄り添う少人数教育など、女子大学ならではの特色を生かしてきました。少子化による志願者数の減少などを背景に、共学化へと踏み切りました。
大学の共学化は、全国でも広がっています。戦後、女子大学は1948年以降徐々に増加し、1990年代には100校近くになりましたがその後は次第に減少しています。2000年代以降は34の女子大学が共学化に踏み切ったほか、新たな学校設立も減少し2025年度は66校になっています。
女子大学の歴史に詳しい武庫川女子大学の安東由則教授は、女子が大学で学ぶ分野や進路の変化が女子大学の減少に大きく影響していると話します。
武庫川女子大学安東由則教授「女性はずっと勤めるものではなくて結婚するまで、あるいは子どもが生まれるまでという風潮が強かった。人文科学とか家政をやって、ゆくゆくは家庭に入っていくということが強かった。1990年代以降になってくると、女性の働き方とか女性に期待されることが変わっていった。社会科学系統の大学に進む、共学に行って女子大学に無い分野を学びに行ってることが多いわけです」
加えて、少子化での学生確保が女子大学を取り巻く環境を更に厳しくしています。安東教授は、18歳以下の人口が減少する中で共学化が相次ぐことは自然な流れとしながらも、単に男子の入学を認めるだけでは持続的な運営は難しいと指摘します。
武庫川女子大学安東由則教授「その地域とか、あるいは新しく男性を引き入れようとするなら、ふさわしい学科や学部を用意できるか教員が集められるかどうかということも、きちんとやっていかないと。単に共学化しただけで来てくれるかというと、なかなかそれは難しいですね」
専門家の間では、2005年に共学化した京都橘大学が成功例と評価されています。共学化に合わせて高齢化社会でニーズの高い看護学部を設置したほか、2021年にはAI人材の育成を目指して工学部や経営学部などを開設しました。2026年にはロボット制作などを学ぶデジタルメディア学部を新たに設置して、時代の変化に合わせた学びで学生数は共学化前と比べ4倍近い7288人と大幅に増加しました。
仙台白百合大学でも2027年度から専攻にかかわらず、データ分析やAI活用スキルを学べる文理融合型のカリキュラムを新設します。
仙台白百合女子大学加藤美紀学長「女子大学ならではの魅力もありますが、その中で培われたきめ細やかなサポートとか面倒見の良い教育という、白百合ならではの魅力に更に磨きをかけ、これからは多様な個性が出会ってより豊かな教育環境になることを期待しています」
共学化を約半年後に控えた仙台白百合女子大学は、どのような学びで魅力を生み出していくのか、伝統ある大学の改革に注目が集まっています。