青森県で栽培され藍染めなどに使われる植物「あおもり藍」に、新型コロナウイルスが鼻の粘膜に侵入するのを妨げる成分が含まれていることがわかりました。

 これは9日、近畿大学や東北医科薬科大学などが参加する研究チームが国際的な学術誌で発表したものです。

 研究チームによりますと、新型コロナウイルスへの感染は、ウイルスが持つたんぱく質と粘膜の細胞内にあるたんぱく質が結合することで起こります。

 研究では藍染めなどに使われる「タデ藍」の一種「あおもり藍」の葉からエキスを抽出。このエキスと新型コロナウイルスを鼻の粘膜の細胞に加えて様子を観察しました。すると、「あおもり藍」の成分が細胞内のたんぱく質よりも先にウイルスと結合することで細胞内のたくぱく質との結合を邪魔することがわかりました。

 この働きによって、ウイルスの細胞内への侵入が妨げられるほか、仮に一つの細胞が感染しても他の細胞に広がることも妨げられるため、重症化を防ぐ効果も期待できるということです。

 研究チームは今後、「あおもり藍」の成分を鼻の粘膜に吹きかけるスプレーなど予防効果が期待できる製品の開発を目指しています。

 東北医科薬科大学などの研究者は以前から「あおもり藍」の持つ抗菌作用などに注目して研究を進めていて、これまでにインフルエンザウイルスに対する不活性化効果があることなども分かっているということです。