新型コロナの感染拡大でマスクをして顔の大半を隠す生活が続いていますが、宮城県名取市は2日から市内3つの公立の保育所で、保育士のマスクを口元が見える透明マスクに変更しました。

 保育士の口元を見せることは、子どもの発達に重要なためだということです。

 園児109人が通う名取が丘保育所では、言語が急激に発達する時期の0歳児から2歳児を担当する保育士15人が、2日から口元が見える透明なマスクの使用を始めました。

 このマスクは中央部分に透明なフィルムが張られ、その周囲には不織布が使用されています。

 透明なマスクをした保育士は、口元を園児に見せながら食事の際に正しい咀嚼の仕方など教えていました。

 名取市には、通常の不織布のマスクでは口元が隠れてしまい、子どもの言語の発達や情緒の安定など成長への影響を懸念する声が寄せられたことから導入を決めたということです。

 保育士の口元の表情を見せることで、人との豊かな関わりを育みながら子どもたちの発達につながればとしています。

 名取が丘保育所橋浦優子所長「0歳から2歳までは、子どもと大人の愛着関係がすごく大きく築かれる時期。子どもへの声掛け、まなざし以外にも口元の表情がすごく大切になってくると思う」

 大分市では、既にこのマスクを導入していて、園児の笑顔が増えたり職員の話し方や食べ方を真似る園児が出てくるなど、効果が出つつあるということです。