宮城県内で最大震度6強を観測した3月16日の地震から、まもなく1カ月。県内の宿泊施設の中には大きな被害を受け、今も休業しているところもあります。

 3月16日の地震で震度5強の揺れに見舞われた仙台市太白区。秋保温泉にある創業53年の篝火の湯緑水亭です。

 当時、宿泊客約100人が泊まっていた本館と新館の壁に亀裂が入ったことや、エントランスの天井などにある水道管が破裂したことによる漏水などの被害で休業が続いています。

 緑水亭高橋知子若女将「(去年2月の地震よりも)今回の方が揺れも被害も大きいですね。(発災時は)お客様がお食事を終えられてゆっくりお休みになられている時間だったことも(けが人もなく)少し幸いだったかなと」

 上野比呂企リポート「創業当初からあって、現在は宴会場などで利用されているホールです。こちら地震で壁が崩落してしまっています。その壁はタイルなんですけれども、こちらです。厚さが3センチほどありまして、とても人の手で持ち上げるのはかなり難しい、それくらいの重さがあります。このタイルが22年間愛用されてきましたこちらのグランドピアノに落ちて、ひどく損傷してしまっている状況です」

 復旧工事は進んでいますが、本館の被害は大きく、4月28日からようやく再開できるのは新館のみです。

 緑水亭高橋知子若女将「ここが一番(復旧が難しい)。ここが(本館と新館の)つなぎの部分(連絡通路)なのでここの復旧にかなりの時間がかかる。(全館復旧まで)最低半年と言われています」

 復旧費用は、少なくとも1億5000万円を超えるとみられています。高橋さんは公的補助やクラウドファンディングなども活用し、完全復旧を目指します。

 緑水亭高橋知子若女将「なんとか一部再開をできるところまで今来ましたので、館の半分で再開させていただきます。安心安全に努めながら工事をしながらですが、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます」

 秋保温泉の14の旅館が加盟する組合によりますと、14日現在で11の旅館が営業を再開していて「休業中の旅館もゴールデンウィークに間に合うよう準備を進めているのでぜひ秋保に来て欲しい」と話していました。