道路や排水路に取り付けたセンサーで浸水の状況をいち早く把握し、水害対策に生かそうという実証実験が宮城県角田市で行われています。

 角田市では、2019年の東日本台風で河川が氾濫し、住宅1552棟が浸水するなどの大きな被害を受けたことから、水害対策を強化しようと実証実験の実施を決めました。 実証実験は、送配電会社の東北電力ネットワークなどと共同で4月に開始しました。

 鈴木奏斗アナウンサー「交通量の多い道路があるこの場所は、近くに農業用の排水路が流れていて、非常に冠水しやすい場所となっています。こうした場所で水害に備えた実証実験が行われています」

 実験には、道路と農業用排水路に設置した計10台のセンサーと、電柱に取り付けた通信機器を使用します。

 大雨や洪水で排水路の水位が上がったり、道路が冠水したりした場合、センサーが浸水を検知し、通信機を介して自治体に通知します。

 浸水状況を遠隔で瞬時に把握できるようになり、避難情報の発令や道路の通行止め実施などの判断に役立てます。

 角田市総務部大江史彦防災安全課長「台風被害も大きかったので、浸水被害対策は急務で、今後、いろいろ力を入れていく分野だと思っております」

 実証実験は1年ほどかけて実施され、データの正確性や冬に雪が積もった時にセンサーが正常に機能するかなどを確認します。