宮城県が進める仙台医療圏の4つの病院を再編する計画で、移転先とする名取市と富谷市が候補地を示したことを受け、移転に反対する市民団体が計画撤回を求める声明を県に提出しました。

 県が進める仙台医療圏の再編構想では、名取市の県立がんセンターと仙台市太白区の仙台赤十字病院を統合して名取市に、名取市の県精神医療センターと仙台市青葉区の東北労災病院をそれぞれの経営主体は残したまま、富谷市に集約させる方針です。

 名取市と富谷市は5月27日に新しい病院の候補地を示し、村井知事は「一歩前進した」と応じました。

 こうした動きに対し、東北労災病院の医療従事者や患者、地域住民らでつくる東北労災病院を守る会は9日に県庁を訪れ、計画の撤回を求める声明を県の担当者に手渡しました。

 小玉高弘事務局長「県民の医療が良くなる政策であれば何も反対するものではありませんので、私たち県民のためになる医療政策をぜひご検討いただければ」

 声明では、今回の候補地の提案を「再編の既成事実を積み上げるやり方で許されない」などと強く批判し、計画の撤回を改めて求めています。