今回の参院選では2021年10月の衆院選に続き、立憲民主党と国民民主党がいずれも略称を「民主党」として届け出ています。どちらの政党を支持するのか判別できない状況に、専門家は「民意が正確に反映されない」と指摘しています。

 参院選の比例代表では、有権者は候補者名、政党・政治団体名、または政党などの略称を書いて投票します。

 略称は政党側が原則自由に決めることができ、立憲民主党と国民民主党がいずれも略称を「民主党」と届け出て、2021年の衆院選と同様に競合することになりました。

 有権者「指導はしないのかなと。選挙管理委員会から」「こっちに入れる気はなかったのに、2つに投票しちゃったってことにもなりかねないし」

 2021年の衆院選では「民主党」と書かれた比例票が、宮城県内でも8万票を超えました。

 この票は2つの党が獲得した有効票の割合に応じて配分され、県内では立憲民主党が約7万票、国民民主党は1万2000票余りを獲得しました。

 選挙制度に詳しい東北大学大学院の河村和徳准教授は、票が案分されることは「有権者の民意が投票結果に正確に反映されない」と指摘します。

 東北大学大学院河村和徳准教授「1人1票の原則から考えると、0.何票という形とはいえ2つの所に票が割れてしまうのは妥当なものとは言いがたい」

 案分票を防ぐ対策として考えられるのが、候補者や政党名に丸をつける記号式ですが、今の選挙制度では導入が難しいといいます。 公示日の午後5時に届け出が締め切られ、候補者が確定しないと投票用紙を印刷できません。更に翌日には期日前投票が始まります。

 2021年の衆院選では、全国で民主党と書かれた票が362万票以上あり、参院選でも案分票が大量に発生する可能性があります。